3. 野球に必要な運動能力と運動センスについて

今回お伝えする内容です

3-1. 野球に必要な基礎的な運動能力と運動センスとは

運動能力と運動センスについて、動画コースで詳しく学べます

野球は、基本的な運動能力がいくつも必要となるスポーツです。例えば、「速く走れる」という能力は、野球選手にとって大きな魅力になりますね。
基本的な運動能力は、試合で良いパフォーマンスを発揮するのに役立ちます。そして、ケガをしないためにも非常に重要です。
今回は、それらについて詳しくお話をしていきます。

パフォーマンスアップに必要な野球の能力の高め方

野球に必要な基本的な運動能力は、【基礎体力】と言いかえることができますが、基礎体力の話をする前に、ひとつ大切なお話をしておきます。

それは、【体組成】についてです。

体組成とは、体を構成している筋肉脂肪水分などのことですが、基礎体力を高めるためにも、それらのバランスが重要になります。
簡単に考えても、筋肉量が少なくて脂肪が多い体は、野球選手にとって理想的とは言えませんね。

では、基礎体力についてお話をします。

基礎体力を評価する要素には、次の4つがあります。
それは、

【バランス能力】
【柔軟性】
【筋力】

そして
【有酸素性能力】です。

この4つの能力を高めることが、次にお話をする【運動センス】を高めることにもつながる土台となります。
そして、運動センスを評価する要素には、

【敏捷性】
【巧緻性】
【平衡性】

の3つがあります。

基礎体力の4要素を高めることが、敏捷性や巧緻性、平衡性の各能力を高めるというイメージが、あなたにはできるでしょうか?
では、ひとつずつ確認していきましょう。

3-1-1. バランス能力

バランスというのは、イメージしやすいと思います。
バランス能力とは、体の姿勢を保持する能力のことを言います。

ただ、野球はバランスが偏りやすいスポーツです。
たとえば、右投げの選手は、右腕のほうを左腕よりもたくさん使います。そして、バッティングも左右どちらかに偏ったスイングをします。
そのため、野球は体の左右のバランスが崩れやすいスポーツだと考えられます。ですから、バランストレーニングをうまく取り入れることが大切です。

よい姿勢は、よいプレーにつながります。日頃から背筋を伸ばして、理想的な姿勢を保持することを心がけましょう。

3-1-2. 柔軟性

柔軟性もわかりやすいと思います。
柔軟性とは、ほとんどの人が「体の柔らかさ」と答えると思います。

少し専門的にお話をすると、柔軟性は、筋肉や関節の柔らかさのことだと言えます。それぞれの関節が、可動域の範囲内で適切に動かせるとすると、柔軟性に影響を与えるのは、筋肉ということになります。

つまり、筋肉が固いか柔らかいかということですね。
おそらくあなたは、柔軟性はケガとの関係性が高いということをイメージできると思いますが、いかがでしょうか?

筋肉が固くなる原因として考えられるのは、練習やトレーニングの疲労であったり、ケガをしたことで患部周辺の筋肉を使わなくなることなどが考えられます。
また、筋肉が固くて関節の可動域に影響を与えてしまうと、動きやすさに影響します。ですから、パフォーマンスの低下の原因になります。

逆に考えると、柔軟性が高いということは、体が動かしやすいということですから、体を巧みにあやつるという点で、運動センスとも関連してくると考えられます。

3-1-3. 筋力

野球では、バッティングやピッチング、フィールディングなどの全てのプレーで、瞬間的に力を発揮する筋力が必要です。
その筋力があることで、野球特有の動きに対応できるので、パフォーマンスアップにつながります。

つまり、成長期には成長期に適したトレーニングを行いましょう。

ただ、成長期の子どもの場合、重たい重量を持ち上げるような、ウェイトトレーニングはおすすめしません。自重で行えるトレーニングを選びましょう。

ポイントは、ケガをしないように正しいフォームで行うことです。
トレーニングの種類については、以前のセクション(2-2-3. 成長期に適したトレーニングの種類)でお話をしていますので、そちらをご参照ください。

筋力の向上は、野球のパフォーマンスによい影響を与えます。できれば専門家のアドバイスを取り入れ、効果的なトレーニングを行ってください。

3-1-4. 有酸素性能力

有酸素性能力とは、酸素を有効に利用できる能力のことです。
野球は、練習時間も長い傾向があり、試合は数時間に及ぶこともあります。選手は大変ですが、最後までエネルギーと集中力を維持する必要があります。

選手が体を動かす時、筋肉のエネルギー源になるのが酸素です。そのため、酸素を有効に利用する能力を高め、持久力をアップすることは、野球のパフォーマンスにとっても、とても重要です。

持久力を高めるには、一定の負荷に長い時間耐えられる【心肺系の強さ】が必要になります。
つまり、一定の時間内で酸素を最大限に取り込み、筋肉を動かすエネルギーを、効率よくつくれる能力が、有酸素性能力です。
ランニングやサイクリングなどの有酸素運動は、持久力を高めるのに役立ちます。

3-1-5. センスとは

ここからは、野球に必要な運動センスのお話になります。
そのお話を進める前に、確認しておきたいことがあります。

それは・・・

運動センスとはどういうことなのか?

ということです。

よく、「あの子はセンスの塊だね」とか「センスが違うね」などということを聞いたりしますね。
おそらく、ほとんどの人は、「センスは生まれ持った才能」だと考えているのではないでしょうか?

私が考えるセンスとは、【調整能力】です。

野球の場合、投手が投げたスピードボールや変化球に対応する調整能力が必要です。
フィールディングでも、捕球しやすい場所を判断する調整能力が必要です。
そのような場面で、敏捷性、巧緻性、平衡性のそれぞれの能力が、野球のパフォーマンスに影響を与えています。

ここで、肝心なポイントをお伝えします。

センスを調整能力だとすると、調整能力を高めるトレーニングを繰り返すことで、それぞれの能力アップが期待できます。

つまり、運動センスは、誰でも高めることができると理解しましょう。

3-1-6. 敏捷性(びんしょうせい)

敏捷性とは、動作の素早さのことです。そして、野球には素早さと同時に、動作の正確性が求められます。
さらに、判断するスピードも必要です。

たとえば、バッティングで考えるとわかりやすいですね。バッターは、ピッチャーが投げたボールを見て、素早く判断してスイングしています。
こうした視覚反応時間の平均は、0.18〜0.2秒と言われています。

また、体全体を動かす敏捷性に加え、たとえば腕や手を早く動かす動作にも、敏捷性が必要です。
フィールディングの際、バウンドが変化した時を想像するとわかりやすいと思います。

敏捷性は、野球の全ての動きに関係してきます。
よいプレーをするために、敏捷性を高めるトレーニングを取り入れていきましょう。

3-1-7. 巧緻性(こうちせい)

巧緻性とは、動作の器用さ巧みさのことを言います。
やはり、野球の全ての動作で巧緻性は必要です。

たとえば、バットコントロールとか、グラブさばきという言葉がイメージしやすいのではないでしょうか?
巧みにバットをあやつってヒットを打ったり、難しいバウンドでも、グラブを器用にあやつって捕球できると、野球がさらに楽しくなりますね。

巧緻性のトレーニングは、野球の実際の練習の中で、ノックだったりフリーバッティングといったように、練習メニューの中で鍛えられることが多いです。

繰り返しの練習で、巧緻性能力を高めていきましょう。

3-1-8. 平衡性(へいこうせい)

平衡性は、バランスを崩したときに、素早く体勢を戻す能力のことです。

たとえば、バント処理でボールを捕球したピッチャーが、クルッと体の方向を変えて、セカンドに送球をする場面をイメージしてみてください。
体勢を低くしながら勢いよくダッシュして、急ストップでボールを捕球します。
そして、その体勢を修正しながら送球方向にターンしています。

投手以外の野手の動作も同様ですね。
前後左右に勢いよく動いて、体勢を修正しながら送球をしています。
ランナーの場合も、スライディングしてから直ぐに立ち上がるといったケースで、平衡性能力が使われています。

ここまでをまとめると・・・

7つの能力を身につけて、それぞれの能力を高めることは、野球のパフォーマンスを大きく向上させることにつながります。
具体的なトレーニングメニューについては、また別の機会にお伝えしたいと思います。
まずは、正しい姿勢を意識して生活することからはじめてみましょう。

そして、どのトレーニングをするにしても、ベースになるのは体組成です。脂肪を増やさないように食生活に注意しましょう。

基礎体力を高めることが、やがて運動センスを高めることにつながります。
7つの能力を高めるためには、繰り返しのトレーニングが必要です。

しかし、無理をしてケガをしないよう、少しずつレベルアップしていきましょう。

3-2. 成長期に基礎的な運動能力と運動センスを向上させる方法

3-2-1. 年齢に応じたトレーニングの違いを知ることの重要性

結論から言うと、子どもの成長は個人差が大きく、長期的な視野で見ることが大切です。そのためにも、年齢や能力に応じたトレーニングを取り入れていきましょう。
そして、ケガをすることのないように注意しながら、基本的な運動能力と運動センスを高めていきましょう。

成長期の子どもの体は、まだ発達途中です。大人が簡単だと思っても、子どもには難しい動作はたくさんあります。ですから、トレーニングプログラムは、その発達段階に合わせて決めていきましょう。過度なトレーニングや、不適切なトレーニングは、避ける必要があります。

たとえば、10歳の子どもは、20歳のアスリートと同じ筋力や持久力を持っていないことが多いはずです。ですから、当然トレーニングの内容は違ってくるはずです。
負荷や回数も、年齢やレベルに合わせて調整する必要があります。
また、ケガを防ぎながら理想的な発達をするためには、フォームを意識することも重要です。

成長期の子どもの運動能力と運動センスを高めるためには、年齢に応じたトレーニングを行うことが、長期的な発達を可能にし、ケガを防ぐことにもつながっていきます。

3-2-2. 基礎的な運動能力を向上させるトレーニングの種類

基本的な運動能力の向上に役立つトレーニングには

筋力トレーニング
プライオメトリックトレーニング
スピード&アジリティトレーニング
持久力トレーニング
柔軟性トレーニング

など、いろいろな種類があります。

野球に必要な、運動能力と運動センスの7つの要素を高めるため、これらの様々なトレーニング方法でパフォーマンスアップを目指していきます。
例えば、筋力トレーニングはパワーと全身の強さを向上させ、プライオメトリックトレーニングは瞬間的なパワーを向上させることができます。

成長期の子どもの筋力トレーニングは、自重を利用したトレーニングが理想的です。
基本的な運動能力と運動センスの向上に役立つトレーニングには、さまざまな種類があります。

トレーニングプログラムは、運動能力と運動センスの7つの要素を高められるように、組み合わせて取り入れる必要があります。

3-2-3. 基礎的なトレーニングとスキルに特化したトレーニングをバランスよく行う

トップレベルの野球選手になるには、成長期の間に基本的な運動能力と運動センスを向上させることが不可欠です。それは、何度もお伝えしてきたとおりです。

それに加え、日々のトレーニングを行うときは、【野球のスキル別トレーニング】とのバランスも考えてみましょう。

野球は、投げる、捕る、打つ、走るといった、動作の異なるスキルの習得が必要です。
成長期には、基礎的な運動能力と運動センスを高めるトレーニングをしながら、バッティングやフィールディングの練習など、スキルに特化した練習をバランスよく行うようにしましょう。

そして、休養日を除いて、毎日行うスキルアップのトレーニングと、日によって変えるトレーニングを整理して行うことをおすすめします。
たとえば、月曜日は休養日として、火曜日はスキルアップのトレーニングと敏捷性を高めるトレーニング、水曜日はスキルアップと平衡性のトレーニングを中心に行うなど、全体のバランスを考えてみましょう。

野球のパフォーマンスを高めるために、基礎的な運動能力と運動センスを向上させることは重要です。それに加え、総合的に野球のパフォーマンスを向上させるためには、スキル別のトレーニングとのバランスを考えましょう。

トレーニングプログラムには、両方のタイプの組み合わせが必要です。

3-3. 野球に必要な運動能力と運動センスを高めるトレーニング方法

3-3-1. 瞬間的な力を鍛えるトレーニング

野球は、瞬間的な力を必要とするスポーツです。
たとえば、バッティングのインパクトの瞬間であったり、ピッチャーがボールをリリースする瞬間などです。

瞬間的な力を発揮するためのトレーニングは、打撃、投球、ランニングに必要な、パワフルで素早い動きを生み出すのに役立ちます。

プライオメトリックトレーニングは、野球選手の瞬間的なパワーを向上させ、打撃、投球、ランニングのパフォーマンス向上につながることが研究で示されています。
また、レジスタンストレーニングも瞬間的なパワーを向上させる有効な方法です。

瞬間的なパワーを向上させるために、異なる筋群をターゲットにした、さまざまなエクササイズを行ってみましょう。

また、お子様がケガをしないように、適切な負荷と回数、そして正しいフォームで行うようにサポートしましょう。

3-3-2. 敏捷性のトレーニング

敏捷性は、野球選手が素早く正確に動くために必要な能力です。フィールディング、ベースランニング、盗塁などに不可欠な能力と言えます。

ラダードリル、コーンドリル、アジリティーランは、敏捷性を向上させる有効な方法です。

敏捷性のトレーニング(アジリティトレーニング)は、方向転換を素早く正確に行い、移動中にバランスを保つ能力を向上させることが研究で示されています。

野球に必要な敏捷性を向上させるために、試合の状況を想定した、さまざまなドリルを行いましょう。

3-3-3. 巧緻性のトレーニング

巧緻性(器用さ)は、野球選手が、打撃、フィールディング、キャッチングに必要とする能力です。

野球の場合、目で見て素早く判断し、正確に動く敏捷性に加え、バットでボールを点でとらえるといった器用さが必要になります。
巧緻性を高めるトレーニングをすることで、目と手のコーディネーション能力と反応時間を改善するのに役立ちます。

手と目のコーディネーションドリル、リアクションボールドリルなどは、器用さを向上させる有効な方法です。

3-3-4. 平衡性のトレーニング

平衡性は、打撃、投球、フィールディングに必要な体のコントロールと、安定性を維持するのに役立ちます。

そのため、平衡性トレーニングは、野球選手の体のコントロールと安定性を向上させ、打撃、投球、フィールディングのパフォーマンス向上につながることが研究で示されています。

例を挙げると、片足立ちやつま先立ちで10秒間姿勢を保つことができるかといった簡単な方法もあります。そのほか、バランスディスクやバランスボールを使うドリルなどもおすすめします。

平衡性を高めることで、野球選手はバランスと安定性によって、試合でのパフォーマンスを高めることが期待できます。

3-4. 運動能力と運動センスに影響を与える要因

3-4-1. 遺伝子の話

遺伝は、選手の基本的な運動能力や運動センスに影響を与えている可能性はありますが、唯一の決定要因ではないと考えられます。

たとえば、身長が高いという遺伝的な特徴が、バスケットボール選手として、よい影響を与えるといったことはあると思います。
しかし、研究により、遺伝的優位性を持たない選手でも、トレーニングや練習により、運動能力と運動センスを大幅に向上できることが示されています。

遺伝の話からはそれますが、運動能力や運動センスというのは、脳から筋肉への司令が適切に行われることで、高まることがわかってきました。
つまり、はじめて行うことが上手にできないのは、脳が筋肉へ司令をする【通り道】ができていないからです。逆に言えば、練習を繰り返すことで脳から筋肉へつながる司令の通り道ができれば、誰でも自在に自分の体をコントロールすることができるのです。

遺伝は、個人の基本的な運動能力を決定する上で、影響するかもしれませんが、繰り返しの練習は、遺伝的に不利と思われることを克服することができます。

3-4-2. 栄養の大切さ

栄養バランスのよい食事は、運動能力を開発する基となる体組成の形成に影響します。つまり、強い体をつくり、その体を維持するために栄養は不可欠です。

バランスよく栄養補給をすることで、エネルギーレベルを適切に維持することができます。また、筋肉をつくったり修復したり、骨を成長させたりと、成長期には特に大切です。

身体は炭水化物、タンパク質、脂肪を含む栄養素の適切なバランスを必要とします。さらに、体の調整機能を高めるビタミンであったり、ミネラルといった栄養素をバランスよく摂るようにしましょう。
さらに、水分補給は健康全般と運動能力の維持に欠かせません。
成長期の子どもの場合、一気に大量に飲むのではなく、100ml程度をこまめに飲むようにしましょう。

また、体の水分量が適切か、あなたのお子様でも簡単に確認する方法があります。

その方法は、【尿の色】を見ることです。
尿の色が濃い場合は、脱水の可能性があります。すぐに水分補給をするようにしましょう。

プロ野球選手の場合、試合や練習の後は、タンパク質を多く含む食品を摂取しています。そうすることで、筋肉の回復を助けるなど、その後のパフォーマンスを最適化するためにしっかり管理して栄養補給を行っています。

バランスがよく適切な栄養補給は、運動能力を維持向上させるために必要です。
お子様の成長のために、成長期の時期には睡眠と併せて、きちんと管理していきたいですね。

3-4-3. 睡眠と休養をとる

十分な睡眠と休息は、パフォーマンスの最適化と傷害の予防にとって不可欠です。

睡眠中は、筋肉やその他の組織を修復しています。逆に、睡眠不足では疲れがとれず、集中力の低下であったり、反応時間の低下の影響から、ケガのリスクの上昇につながります。
また、休息日をつくることで、使いすぎによるケガを防ぐことができます。

多くのプロ野球選手は、トレーニングの一環として、十分な睡眠と休息をとることを優先しています。中には回復力を高めるために、昼寝の習慣を取り入れている選手もいます。

十分な睡眠と休息は、基本的な運動能力を維持向上させ、ケガを予防するためにも不可欠です。

3-4-4. 環境

環境は、野球選手にプラスにもマイナスにも影響することがあります。

たとえば、気象条件を考えてみましょう。高温多湿の夏は、すべての運動能力にマイナスの影響を与える可能性があります。

生活習慣についても、規則正しい生活リズムを大切にする家庭環境であれば、よいパフォーマンスが期待できます。

そして、質の高いトレーニングを行える環境というのも、それぞれの選手にとってパフォーマンスに影響を与えることが考えられます。
たとえば、専門知識の豊富なトレーナーにサポートを受けられるのと、全くの素人が独学で行うのとでは、結果の違いは大きいと思います。

3-4-5. ケガの履歴

過去に経験したケガは、野球選手の基本的な能力に、後々まで影響を与える可能性があります。
ケガをしてしまった選手は、その後のトレーニングやコンディショニングにおいて、特別な注意を払う必要があります。

ですから、医療機関で適切な診断を受け、理学療法士や資格を持つトレーナーのアドバイスのもとで、リハビリを行いましょう。そうすることで、再受傷を防ぐことにつながりますし、結果的に筋力のアンバランスであったり、柔軟性や持久力の低下を防ぐことができます。

例えば、プロ野球選手は、ケガの再受傷を防ぐために、痛めたところを強化するエクササイズを行うなど、専門のトレーナーや医療の専門家と協力して、ケガの予防やリハビリを行っています。

成長期のケガは、後々まで影響を与えることが研究からわかっています。成長期にヒジをケガした選手は、高校生になって再受傷することが多いこともわかっています。

もちろん、ケガをしないようにトレーニングとコンディショニングを管理することが理想です。しかし、成長期には、多くの選手が実際にケガを経験してしまいます。
それが、その後の野球のパフォーマンスに影響を与える可能性があるので注意してください。

仮に、ケガをしてしまっても、再受傷を防ぎ、最適なパフォーマンスを維持するために、お子様の状況に応じたトレーニングやコンディショニングが必要となります。

例えば、ヒジをケガした場合、受傷後の経過日数に応じでトレーニング内容を変えていきます。
投球の再開時期や、投げる距離であったり投げる数なども、プロ野球やメジャーリーグのチームの多くは、ガイドラインを持っています。

そのように、それぞれの選手の状況を観察しながら行うトレーニングやコンディショニングが理想的な姿だと思いませんか?

3-5. 年齢別の基本的な運動能力の発達について

3-5-1. 幼児期(0歳~5歳)

この時期は、遊びながら運動能力を発達させましょう。
お子様の興味のある遊びによって、のびのびと体を動かすことが、理想的な発達につながります。
それが、バランスであったり手足の協調性などを発達させることにつながります。

幼児期は、脳と体が急速に発達する時期です。ハイハイしたり、転げ回ったり、跳んだり登ったりと、遊びを中心とした運動をしましょう。
それが、その後のより複雑な運動を行う基礎となり、総合的な運動能力と体全体の協調性を発達させるのに役立ちます。

幼児期には、遊びながら総合的な運動能力とコーディネーション能力を発達させましょう。

3-5-2. 学童期(6歳~12歳)

成長期前の学童期のお子様の場合は、 基本的な運動能力である、バランス能力、柔軟性、筋力、有酸素性能力を開発する時期です。

ただし、体は未完成です。
大人の体とは、全くと言っていいくらい別物だと理解しましょう。負荷の高い筋力トレーニングは、ケガをする危険があります。

学童期になると、少しずつ技能習得の能力も高くなります。スキル向上につながる、基礎的なトレーニングを繰り返し行いましょう。

また、学童期の後半に向けては、スキルに特化したトレーニングや、筋力トレーニング、敏捷性や巧緻性、平衡性のトレーニングも行うようにしましょう。

それが、基本的な運動能力と運動センスの開発に役立ちます。

3-5-3. 思春期(13歳~18歳)

思春期に入ると同時に、成長期を迎える子どもが多くなります。

これまでに高めてきた、基本的な運動能力をベースに、段階的に野球に特化したトレーニングを取り入れ継続しましょう。

ただし、成長期に入ると、成長痛に悩まされたり、クラムジーを経験する可能性があります。そこで無理をするとケガのリスクも高まります。
その点に注意してお子様の様子を見守りましょう。

思春期には、筋肉量、骨密度、有酸素性能力などが著しく向上します。走るスピードが速くなったり、敏捷性が高まったりと、体の変化に応じて、基本的な運動能力や運動センスを高めるチャンスです。

ケガを防ぎながら、野球のスキルアップに特化したトレーニングに集中することで、パフォーマンスを向上させましょう。

思春期に入ると、お子様も親との距離を必要とするかも知れません。ですから専門家の指導を本格的にスタートするのもよい時期だと思います。

【まとめ】

  1. 野球選手に必要な基本的な運動能力の要素は、【バランス能力】【柔軟性】【筋力】【有酸素性能力】。そして、運動センスの要素は【敏捷性】【巧緻性】【平衡性】です。
  2. 運動能力と運動センスを高めるトレーニング方法は、年齢とスキルレベルに合わせて考え、7つの要素をバランスよくトレーニングしましょう。
  3. 遺伝的な要因が、野球のパフォーマンスに影響を与える可能性はありますが、最近の研究では、繰り返しの練習により運動能力と運動センスが向上することがわかっています。
  4. 成長期には、バランスのよい食事を摂り、適切な休養を取り入れることで疲労を回復し、体の成長を促進しましょう。
  5. 基本的な運動能力と運動センスのトレーニングと、野球特有のスキルトレーニングを、バランスよく行いましょう。

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