5. 野球に特化したセンスを向上させる方法

5-1. 敏捷性を高める方法

こんにちは。
石橋秀幸です。

今回は、野球に特化したセンスを向上させる方法と題して、いくつかのトレーニング例をご紹介します。
トレーニングについては、さまざまな種類がありますし、個々の状況によってもメニューが変わってくることが一般的です。
ですので、今回はトレーニングの種類やその特徴をつかんでいただければと思います。

それでは、はじめましょう。

パフォーマンスアップに必要な野球の能力の高め方

5-1-1. コーンを使ったドリル

コーンを使ったドリルは、方向転換やステップワークなど、野球に必要な敏捷性を高めることができます。これにより、守備や走塁など、野球のプレーでスムーズな動きが可能になります。

【コーンを2つ並べ、左右に素早く移動する】

4.5mの幅にコーンを置きます。

片方のコーンから全力で反対のコーンまでダッシュします。

反対のコーンにタッチして方向転換してもとのコーンまでダッシュします。

これを繰り返します。

【コーンをV字形に3つ並べ、前後に素早く移動する】

コーンを4.5mの距離でV字になるように置きます。

片方のコーンへ前向きでダッシュします。

方向転換をして前向きのままスタートのコーンまでダッシュで戻ります。

逆側も同様に行います。

これを繰り返します。

【コーンを8つ並べ、斜め前後に素早く移動する】

コーンを4.5mの距離でジグザグに8個並べます。

ジグザグに素早く移動します。

これを繰り返します。

コーンを使ったドリルは、これ以外にもバラエティーに富んだトレーニングが可能です。

行う回数は、お子様のレベルに合わせて決めるようにしましょう。

5-1-2. プライオメトリクストレーニング

プライオメトリクストレーニングも、野球選手の敏捷性を高めるために有効な方法です。

ププライオメトリクストレーニングは、脳と筋肉の連携を高めることで、敏捷性や反応速度を向上させることができます。
これにより、守備や走塁などの野球の動きを、正確で迅速に行うことが可能になります。

【ジャンプスクワット】

両足を肩幅より少し広くし、つま先を少し開いて立ちます。太ももが地面と平行になるくらい曲げて、できるだけ高くジャンプします。

着地の時に膝が内側に入らないように注意しましょう。また、足首を捻らないように注意しましょう。

【ラテラルランジ】

両足を肩幅に広げて立ちます。左足をできるだけ高く上げて、左横方向に下ろします。着地したとき、体がグラグラしないように体幹をしっかり安定させましょう。着いた左足を強く蹴ってスタートの姿勢に戻ります。

右足も同様に行います。

【メディシンボールツイスト】

両手でバスケットボールを持ち胸の高さに置きます。

股関節から体を強く捻って後ろを向きます。

2〜3秒間、その姿勢を維持します。
反対側も同様に行います。
バスケットボールが無い場合は、サッカーボールでもバレーボールやドッジボールでも大丈夫です。

プライオメトリクストレーニングは、野球選手の敏捷性を高めるために有効な方法です。

最初は少ない回数で大丈夫です。お子様のレベルに応じて決めましょう。

5-1-3. ハードルジャンプトレーニング

ハードルジャンプトレーニングもまた、野球選手の敏捷性を向上させるために有効な方法です。

ハードルジャンプトレーニングは、足腰の筋力を高め、ジャンプ力や方向転換のスピードを向上させる効果があります。

これにより、守備や走塁などの野球の動きで、敏捷性を高める効果があります。

【ミニハードルを両足でジャンプして越える】

両足でタイミングを合わせて、前方にジャンプしてミニハードルを超えます。

向きを変えて、同様に前方にジャンプします。

これを繰り返します。

両足がタイミングよくジャンプできているか、タイミングよく着地できているか、ジャンプをするとき左右の足の動きのバランスも確認しましょう。

【サイドジャンプ】

両足でタイミングを合わせて、横方向にジャンプしてミニハードルを超えます。

そのまま、逆方向へもジャンプしてミニハードルを超えます。

両足がタイミングよくジャンプ・着地できているか、横方向(左右)にジャンプするとき左右で得意な方向、不得意な方向があるかも確認しましょう。

【バウンドステップ】

両足でタイミングを合わせて、前方にジャンプしてミニハードルを超えます。

両足でタイミングよくジャンプ・着地したら、そのままもう一度前方にジャンプします。

ハードルジャンプトレーニングも、野球選手の敏捷性を向上させるために有効な方法です。

5-2. 巧緻性を高める方法

5-2-1. テニスボールを使ったトレーニング

テニスボールを使ったトレーニングは、野球選手の巧緻性を向上させるために有効な方法です。

テニスボールを使ってボールを捕球するトレーニングは、手先の素早い動きや正確性を養うことができます。

西武の源田選手が、社会人時代にテニスボールを使ってハンドリングの練習をしていたのは、有名な話です。

【ボールトス】

2mくらいの距離を取って、テニスボールを軽くトスします。
ボールをつかむ感覚を覚えていきましょう。

慣れてきたら、少し上や下、左右にトスしてみましょう。

何回連続でキャッチできるか、ゲーム感覚で楽しみながら行ってみましょう。

【ラケットを使ったトス】

5mから6mくらいの距離を取り、ラケットで軽くゴロを転がしてキャッチする練習です。

はじめは素手で行ってみましょう。片手で捕球するのがポイントです。

最初はうまく捕れなくても大丈夫です。人差し指の付け根でボールを吸収するように捕球するのが理想です。

テニスボールを使ったトレーニングは、野球選手の巧緻性を向上させるために有効な方法です。

5-2-2. キャッチボール

キャッチボールは、野球選手の基本練習として定着しています。
理想的なキャッチボールは、巧緻性を向上させるために有効な方法です。
キャッチボールを繰り返すことで、投球や捕球の正確さを高めるトレーニングになります。

最初はレベルに合わせて、お子様が力まずに投げられる短い距離から始めましょう。狙ったところへ投げられることと、正しく捕球できることにフォーカスします。
投げる距離を遠くするのは、狙ったところに投げられるようになってから、少しずつ延ばせば大丈夫です。
これにより、守備や送球、ピッチャーの投球において高いレベルの技術を身に付けることができます。

キャッチボールは、野球選手の巧緻性を向上させるために有効な方法です。

5-2-3. バットを使ったトレーニング

バットを使った様々なトレーニングは、野球選手のバッティングにおける巧緻性を向上させるために有効な方法です。

素振りは、スイングスピードを上げるトレーニングになります。

いつも使っているバット、少し重たいバットを使い分けて振るとよいでしょう。ただし、バットのヘッドが極端に下がってしまうほど重いバットでは、ケガの心配もあり逆効果です。
また、少し軽めのバットを振ることで、スイングにキレが生まれます。

巧緻性のトレーニングは、実際の野球の練習の中で高められることが多い能力です。ティースタンドにボールを置いて打つティーバッティング
斜め前方からトスしてもらったボールを打つティーバッティング
細いバットで小さいボールを打つなど、バットを使った様々なトレーニングは、野球選手の巧緻性を向上させるために有効な方法です。

素振りのときは、ピッチャーが投げたボールをイメージしながら、いろいろなコースを想定してスイングをしましょう。

5-3. 平衡性を高める方法

5-3-1. バランスボールを使ったトレーニング

バランスボールやバランスディスクを使ったトレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

バランスボールやバランスディスクを使うと、体幹部の筋力を効果的に鍛えることができます。体幹部を鍛えることは、野球に必要なバランス感覚を向上させることにつながります。

バランスディスクに乗ったままのスクワット、片足立ち、サイドプランクなど、バランスボールやバランスディスクを使ったトレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

5-3-2. ヨガを取り入れたトレーニング

ヨガを取り入れたトレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

ヨガのポーズは、体幹部の筋力を鍛えることができ、バランス感覚を向上させることができます。また、リラックス効果があり、野球に必要な集中力の向上にも効果があります。

ネコのポーズ
三角のポーズ
木のポーズ

など、ヨガを取り入れたトレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

5-3-3. ウォーキングやランニングでのバランストレーニング

ウォーキングやランニングでのバランストレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

また、体幹部や下半身の筋力を鍛え、歩行中や走行中のバランス感覚を向上させることができます。
そして、有酸素運動による心肺機能の向上にも効果があります。

ウォーキング時に片足で歩く(ケンケン)、ランニング時に片足でのジャンプを取り入れるなど、工夫するとよいでしょう。

ランニングの時はカカトから地面に着地するようにしましょう。

ウォーキングやランニングでのバランストレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

5-3-4. カカト上げやつま先立ちを行うトレーニング

カカト立ちやつま先立ちは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

カカト立ちで20秒ふらつかないで立つ
つま先立ちで20秒ふらつかないで立つ
片足立ちで20秒ふらつかないで立つ

バランスディスクで踵上げ練習など、カカト立ちやつま先立ちを行うトレーニングは、野球選手の平衡感覚を向上させるために有効な方法です。

5-4. 野球に特化した運動能力のまとめ

5-4-1. トップレベルの野球選手になるための総合トレーニングの重要性

野球に特化した能力を向上させるには、バランス能力、柔軟性、筋力、有酸素性能力、敏捷性、巧緻性、平衡性の総合的な向上を目指すトレーニングが必要です。

野球に必要な運動能力は幅広く、特定の能力だけに注力しても、全体的なパフォーマンス向上には繋がりません。
総合的なトレーニングは、野球に必要な全ての運動能力をカバーします。その運動能力がベースになり、運動センスを磨くことにつなげられます。そして、お子様の野球の総合力を向上させることができるのです。

総合的なトレーニングを行うことで、野球に必要なバランス能力、柔軟性、筋力、有酸素性能力、敏捷性、巧緻性、平衡性の向上が期待できます。
総合的なトレーニングメニューを組んで、最大限のパフォーマンス向上を目指しましょう。

5-4-2. トレーニングの成果を試すための実戦練習の重要性

日々のトレーニングの成果を試すには、グランドでの実戦練習が重要です。トレーニングで身につけた技術や能力を試すことで、自己評価や改善点の把握に繋がります。

多くの場合、週末のチーム練習や試合は、自宅でのトレーニングで身につけた技術や能力を試すチャンスになります。

トレーニングしたときと同じようにできるのかが重要ですね。

さらに、緊張感のある実戦の場であれば、自宅でのトレーニングとは違った、技術や能力を磨くことが可能です。

グランドでのフィールディング練習は、地面の状況や風の影響を感じながら、判断力や打球処理能力を磨くことができます。
チームの練習で、試合形式などの実践的な練習を行うときは、試合で必要とされる技術や判断力を養えるチャンスです。

実践した後は、自己評価をして改善点を把握するように、お子様に促しましょう。

トレーニングの成果を試すためには、グランドでの実戦練習が重要です。状況別の実践的な練習や練習試合、フィールディング練習などで、技術や能力の評価や改善点の把握を行い、野球選手としての成長を促しましょう。

【まとめ】

  1. 野球には、求められる運動センスがたくさんあり、総合的な能力の高さが必要です。基礎体力の向上だけでなく、敏捷性、巧緻性、平衡性を高めるトレーニングを取り入れていきましょう。
  2. 巧緻性のトレーニングは、日常の野球の練習で養えるものもたくさんあります。基本的な練習をおろそかにせずに行いましょう。
  3. 週末のチーム練習や試合は、自宅でのトレーニングの成果を発揮するチャンスです。失敗を恐れずに積極的にチャレンジをしましょう。
  4. 実践した後は、自己採点をしてみましょう。そして次の週の自宅でのトレーニングを進化させながらトップレベルの野球選手を目指していきましょう。

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