大谷翔平選手の凄さ「OPS」で見る驚異のパフォーマンス
今回お伝えする内容です
大谷翔平選手の凄さ「OPS」で見る驚異のパフォーマンス
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
今回は、打者のチームへの「貢献度を示す5つの指標」について解説します。
打者を評価する指標の数値を確認すると、やはり大谷翔平選手はすごいということがわかります。
例えば、あなたは「OPS」という指標が、最近の野球で重要視されていることをご存知ですか?
実は、こちらを制作している5月19日現在、大谷翔平選手が、そのOPSでリーグトップに立っています。
一般的には、打者を評価する指標として一番先に思いつくのは「打率」だと思います。
プロ野球の中継を観ていると、打者の成績がテロップで紹介されますね。
そこには、打率と本塁打数、そして打点が表示されていることは、多くの人が知っていると思います。
最近では、それらに加え「OPS」という数字が紹介されているケースがありますが、見たことはありますか?
ただ、OPSと言われても、よくわからないかもしれませんね。
今はまだわからなくても大丈夫です。OPSについては、この先で詳しく説明します。
打者を評価する5つの指標とは
一概にバッティング成績といっても、どの分析データを見るかによって、選手がどのようにチームに貢献しているのか、判断が違ってきます。
そこで今回は、OPSを含め、バッティングを評価する5つの指標について詳しく解説していきます。
近年の野球では、それらのデータを客観的に分析して、選手の評価やチームの戦略を考える指標にしています。
あなたも、これから紹介する、それらの指標を理解することで、お子様のチームへの貢献度を知ることができるようになります。
そして、少年野球や中学野球であっても、これらの指標を参考にすることで、客観的で公平な選手の評価につながると思います。
さらに、選手自身が、それらの指標を把握することで、自分自身が取り組むべき課題も明確になるでしょう。
計算そのものは、決して難しくはありません。
ですから、これから紹介する5つの指標を理解して、お子様の野球のレベルアップのために使ってみてください。
もちろん、それらの指標を知らないままでは、お子様の野球に生かすことができません。
ぜひ、お子様の野球のレベルアップのために、最後までご覧ください。
それでは、順番に解説していきます。
打率
打者を評価する指標で、日本で最も有名な数値は「打率」です。
打率は、ご存知の通り、ヒットを打つ確率を表す指標です。
首位打者というのもおわかりだと思います。首位打者とは、打率が一番高い選手のことですね。
日本では、首位打者は名選手の象徴とされています。
また、プロ野球では、打率を公式記録とするためには、規定打席以上に打席に立つ必要があります。
打率の計算式は、「安打数÷打数」です。
長打率
打者を評価する指標の二つ目は、長打率です。
アメリカでは、ヒットの中でも長打の割合を重視する考え方が広まりました。
そこで考えられたのが「長打率」です。
これは、バッターが1回の打席でどれだけたくさんの塁を進めたか、その平均を示す数字です。
計算式は「塁打数÷打数」です。
出塁率
打者を評価する指標の三つ目は、出塁率です。
出塁については、ヒットだけでなく「四球」や「死球」も含めて評価すべきだと考えられました。
それで、「出塁率」と言う評価基準が生まれたのです。
出塁率は、打撃機会あたりの出塁の割合を示す指標です。
計算式は、「(安打数+四球数+死球数)÷(打数+四球数+死球数+犠飛数)」です。
塁打数
打者を評価する指標の四つ目は、塁打数です。
二塁打、三塁打、本塁打といった安打に重みをつける考えから、「塁打数」という指標も考えられました。
塁打数は、単打、二塁打、三塁打、本塁打といった各種ヒットに対して、適切な重みをつけて計算されるため、選手の長打力を評価するのに適しています。
計算式は、「(安打数+2×二塁打数+3×三塁打数+4×本塁打数)」です。
もしかしたら、「さっきの長打率と何が違うの?」と思っているかもしれません。
ですから、先ほどの長打率との違いを簡単に説明しますね。
塁打数と長打率の違い
簡単に言うと、塁打数は「全部で何塁進んだか」という合計です。そして、長打率は「1回の打席で平均して何塁進んだか」という平均を表しています。
「塁打数」の場合、単打は、塁にひとつ進むので1ポイント、二塁打は2ポイント、三塁打は3ポイント、本塁打は4ポイントです。
バッターがたくさんのヒットを打って、多くの塁を進むと塁打数は高くなります。
一方の「長打率」ですが、たとえば、バッターが10回打席に立って、合計で20塁打した場合で考えます。
打席数10回で塁打数20塁を割るので、20 ÷ 10 = 2.0。つまり、このバッターは、1回の打席で平均して2塁進むという指標になるわけです。
このようにアメリカでは、選手の成績を客観的に正しく評価するために、様々な指標が考えられてきました。
そして、次が今回注目の指標OPSです。
OPS
打者を評価する指標の五つ目がOPSです。
ここからは、大谷翔平選手の活躍の凄さをみるために、OPSにクローズアップしてみたいと思います。
OPSとは、「On Base plus Slugging Percentage」のことで、打者の出塁力と長打力を測る指標です。
得点をあげる上で、打者の出塁能力と走者を進塁させる長打力は不可欠な要素です。
OPSは、 個人としてもチームとしても、得点能力を計る指標の基礎になります。
計算式は、「出塁率+長打率」です。
先ほども言いましたが、日本のプロ野球では「打率」が最も高い選手が、首位打者として評価されます。
でも、ヒットをたくさん打っても長打が少ない選手もいます。逆に、長打をたくさん打っても打率が低い選手もいますね。
野球は点取りゲームなので、それぞれの選手がいかに得点に貢献しているのかが、重要視されるようになったわけです。
得点するためには、選手が出塁する必要がありますね。
「出塁率」を計算することで、選手がどれくらい出塁しているかがわかります。
また、塁打数の平均である「長打率」で、選手がそれくらい次の塁に進んだかが分かります。
その、出塁率と長打率を合わせた指標のOPSは、選手がチームの得点にどれだけ尽力しているのかを評価できます。
同時に、選手が得点のチャンスをどれだけ作り出しているかを数値で示すことができます。
OPSが高いほど、選手がチームの得点に大きく貢献していることを意味しているわけです。
ちなみに、OPSの評価基準として、以下のようなランクが定められています。
OPSが0.9000以上でAランクとされていますが、メジャーリーグでは、過去3年間でOPSが1.000を超えた選手がいます。
2021年
ハーパー選手 | 1.044 |
ゲレーロJr.選手 | 1.002 |
2022年
ジャッジ選手 | 1.111 |
アルバレス選手 | 1.019 |
2023年
大谷翔平選手 | 1.066 |
シーガー選手 | 1.013 |
アクーニャJr.選手 | 1.012 |
大谷翔平選手の脅威のOPS
ご存知の通り、大谷翔平選手は二刀流として大活躍して、2023年のア・リーグで満票でのMVPを獲得しています。
そしてOPSは、両リーグトップの驚異的な1.066を記録したのです。
OPSが0.9000以上でAランクの「素晴らしい」という評価ですから、1.000を超える選手は、超Aランクといえるでしょう。
さらに、2024年度の大谷翔平選手のOPSをみると、5月19日現在1.102と、またも1.000を超えています。
もちろん、ナ・リーグのトップです。
この驚異的な数値からも、大谷翔平選手の凄さが分かりますね。
日本の名選手たちのOPS
日本のプロ野球を見てみると、一シーズンのOPS最高数値は、王貞治さん1.293、落合博満さん1.244です。
こちらも驚異的な数値ですね。
また、通算成績では、王貞治さんが1.080、松井秀喜さんが0.996、落合博満さんが0.987とAランクです。
現在の大谷翔平選手の活躍を見ていると、こうした歴史に名を残す大打者を超える可能性も秘めているといえるでしょう。
セイバーメトリクスとは?
近年の野球では、データを統計的に分析して、選手の評価や戦略を考える方法が使われています。
これを「セイバーメトリクス」と言います。
セイバーメトリクスは、ビル・ジェイムズという、一人の野球ファンが提唱して始まりました。
その後、アメリカ野球学会の略称であるSABRと、測定を意味するmetricsからセイバーメトリクス(Sabermetrics)と名付けられました。
セイバーメトリクスのメリット
セイバーメトリクスは、客観的なデータに基づいて選手のパフォーマンスを評価するので、主観的な判断を排除できます。
そうすることで、より公平で正確な評価が可能になります。
また、データ分析を活用することで、チームは最適な戦略を立てやすくなります。
例えば、打者に対する守備シフトや、投手交代のタイミングを効果的に決めることができます。
そして、セイバーメトリクスの指標は、ファンが選手や試合をより深く理解するのに役立ちますね。
選手のデータが詳しくわかることで、野球観戦がより楽しくなるのではないでしょうか?
セイバーメトリクスについては、今回紹介したポイント以外にも、野球を楽しむアイデアが色々あります。
いずれまた、詳しく解説したいと思います。
今回のまとめ
いかがでしたか?
今回は、打者を評価する5つの指標について解説しました。
打率、長打率、出塁率、塁打数、そしてOPSについて、理解できたと思います。
それぞれの計算式も紹介しましたので、ぜひ、あなたも活用してみてください。
ただ、少年野球や中学生の選手の場合は、まだまだ成長途中です。
現状を知る意味で数値を計算することは、興味のあることだと思います。しかし、今の時点で数値が低くても気にしなくて大丈夫です。
日々の目標を持って、コツコツ努力を積み重ねてください。
今回は以上です。
次回もまた、野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。
引き続き、野球の上達のために頑張っていきましょう。
野球の上達に関するお悩みや、疑問点などがありましたら、いつでもご連絡ください。
それでは、またお会いしましょう。
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