【野球上達の新戦略】なぜ、あの子は急に上手くなった?秘密は「戦略的な反復」にあった!

今回お伝えする内容です
【野球上達の新戦略】なぜ、あの子は急に上手くなった?秘密は「戦略的な反復」にあった!
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
お子さんの野球上達のカギ、ご存知ですか?
実は、あなたの思いもよらない場所に答えがあるんです。
「練習は嘘をつかない」
このフレーズを聞くと、多くの方は「練習量」だと考えます。あなたも「上達には練習量が全て」だと思うお一人ですか?
もしそうなら、これからお話しする内容で、その考えが変わります。
「練習してるのに、動きがどこかぎこちない…」
「試合になると、練習通りのプレーができない…」
このような悩みをお持ちなら、「無意識の力」が原因かもしれません。
そこで今回は、次の4つのポイントを具体的に解説します。
- 野球の動きがスムーズにならない「本当の理由」
- 「量」だけでなく「質」を飛躍的に高める練習法
- 「体が勝手に動く感覚」を養う具体的なステップ
- 科学的根拠に基づく、効率的な練習スケジュールの立て方
これらの内容は、35年以上の研究と指導実績に基づいています。
最新の研究結果も交えてお伝えしますので、お子さんの才能を開花させるヒントがきっと見つかります。
ぜひ最後までご覧ください!
無意識の力で野球の動きが変わる!
お子さんの野球スキルを高める、最新の情報をお伝えします。
野球スキルは、実は意識せずとも体が勝手に動く「自動化」によって大きく伸びます。
この「体が勝手に動く」感覚を身につけるには、従来の野球指導とは違う新しい視点が必要なんです。
お子さんの無意識の力を引き出し、自動化された動きを習得させる、具体的なステップをご紹介します。
無意識がつくる流れるような動き
お子さんの野球の動き、「ぎこちない」と感じることがあるかもしれません。
練習はしているのに、ぎこちない動きが改善しないのはなぜなのでしょうか? それは、無意識を上手に操れないことが原因のひとつです。
驚くことに、私たちの行動や思考の95%は、無意識によって支配されています。そうです。野球の上達は、この「無意識の力」を引き出すことがカギなんです。
イメージしてみてください。
実際に打席でバットを振るとき、ひとつひとつ考えて動作をしていませんよね。試合中に動きを意識的に考えていては、反応が遅すぎます。
無意識がスムーズに働くからこそ、プロ野球選手のように流れるような美しい動きが生まれるんです。
野球のスキルレベルが高まるにつれ、意識しなくても複雑な神経ネットワークが瞬時に動きをコントロールします。
お子さんの脳には、「神経可塑性」という素晴らしい力が備わっています。これは、経験や学習によって脳の神経回路が変化し、新しい神経細胞が生まれる現象です。
ちなみに、神経可塑性については、「科学的野球指導!小中学生は「脳」を鍛えて、野球センスを劇的に伸ばすべし」で解説していますので、併せてチェックしてみてください。
無意識にスムーズな動きができるようになるには、やはり順序があります。
研究によると、運動スキルを習得する最初の段階では、意識的な努力が必要です。これは、脳に動きを記憶させるためなんです。
ポイントは、継続的な練習です。
練習を重ねるうちに自動的な動きができるようになります。これは、神経経路が発達し、意識的なコントロールがなくても動けるようになるからです。
つまり、繰り返し練習することで、意識的な記憶が無意識的な記憶へと変わっていくのです。
嬉しいことに、この能力は誰でも伸ばすことができます。「センスがないかも?」などと諦める必要はないのです。
ただ、繰り返しの練習にもひと工夫が必要です。それについては、最後に説明します。

体が勝手に動く「感覚」のつくり方
日々の練習、漠然とした繰り返しになっていませんか?
日々の自主練は、誰もが大切だと思っています。でも、「練習の質」には、どれくらい注意を払っているでしょうか?
野球で「体が勝手に動く」という感覚。
これは、考えなくても体がスムーズに反応し、最高の動きができる状態です。この感覚こそ、お子さんが目指すべき理想の状態ですよね。そのためには、質の高い反復練習が必要です。
「やっぱり、結局は練習量か…」
そう思われるかもしれません。でもこれは、ただ闇雲に繰り返す練習ではないんです。
重要ポイントを4つお伝えします。忘れないでくださいね。
- まずは正しいフォームの習得
基礎ができないと、間違った動きの繰り返しになります。信頼できる指導者に、正しいフォームをしっかりと教えてもらいましょう。 - 意識的な反復練習
最初は意識しながら、正しいフォームで丁寧に繰り返し練習します。この時、「なぜこの動きをするのか」を理解することが重要です。 - 練習の質にこだわる
ただ回数をこなすだけでなく、一つ一つの動きの質を高めます。集中力を保ち、無駄な動きをなくすように意識しましょう。 - イメージトレーニングの活用
実際に体を動かすだけでなく、頭の中でプレーを鮮明にイメージしましょう。プロ野球選手の動画を見るのも効果的です。
これらの方法を参考に、質の高い反復練習とイメージトレーニングを始めてみてください。
なお、イメージトレーニングについては、「うまくなる子だけが実践中!センスを爆発させる”脳トレ3選”」で解説しています。確認してみてください。
子どもの脳は、繰り返し行われることを効率的に処理しようとします。質の高い反復練習を続けると、脳はその動きを「パターン」として記憶するのです。
この時、脳の中で動きの回路が強化されていきます。そして、徐々に脳の深い部分、つまり無意識のレベルにまで落とし込まれます。
これが「自動化」というプロセスなんです。
プロ野球選手は、この無意識の動きを徹底的に磨き上げています。彼らは、ボールが来る瞬間に、「何を考えるべきか」を意識していません。「どう動けば良いか」も意識していません。
「体が勝手に反応した」という感覚が、素晴らしいプレーを支えているのです。

無意識の反射が野球上達のカギ!?
野球の練習は、「量より質」。実はこれ、科学的に正しいんです。
その点について、最新の研究で驚くべきことがわかってきました。
私たちの脳は、意識していない反射の働きも予測して、動きを調整するのです。質の高い反復練習で、この無意識の動きが洗練されていきます。
どういうことか、わかりやすく説明しますね。
私たちには、脊髄反射(せきずいはんしゃ)という仕組みが備わっています。これは、意識しなくても体が勝手に動く仕組みです。
たとえば、熱いものにうっかり触った時を思い出してください。「熱い!」と思う前に手が勝手に引っ込みますよね。
体のセンサーが「熱い!」という情報を脊髄に送ると、脳に伝わる前に反射が働きます。脊髄が、直接筋肉に「手を引っ込めろ!」という命令を出すのです。
驚くかもしれませんが、このような反射システムが野球のプレーでも行われている可能性があるのです。
たとえば一流の打者は、神業的な調整能力を持っています。
ストレートだと思って振りはじめても、変化球だとわかった瞬間に対応しています。スイングの軌道やタイミングを無意識に修正しているのです。
これには、意識的な判断だけでなく、無意識の反射も関わっています。
視覚情報から認識された情報は、脊髄に伝わります。そして、無意識的な筋肉の調整(脊髄反射)を引き起こしていると考えられるのです。
正しい反復練習をすることで、お子さんにもその可能性が高まります。
では、正しい反復練習とは、どのような反復練習なのでしょうか?
質の高い練習とは、「どう練習するか」だけではありません。「いつ練習するか」も重要なポイントなんです。
脳が無意識の動きを覚える過程には、実は意外な秘密があるんです。

正しい反復練習でスキルを磨く
野球の上達には、繰り返し練習することが大切!
素振りやキャッチボールなど、基本的な動作を何度も繰り返すことで、体は動きを覚えていきます。そして、スキルが磨かれていきますよね。
繰り返しの練習は、お子さんの脳に新しい神経回路をつくり、そのつながりを強くします。
プロの選手の華麗なプレーも、幼い頃からの何万回という反復練習で脳に刻み込まれてきたものです。ですから、反復練習はとても重要なんです。
しかし、ただひたすらに繰り返すだけの練習は、実は効率が悪いことがあるんです。
「いつ、どのように繰り返すか?」それこそが、非常に重要なのです。
そこで、ぜひ取り入れてほしいのが、「間隔をあけた反復」です。これは、練習時間を分散させ、数日間の間隔を空けて再び練習する方法です。
実は、最新の研究でわかってきたことがあります。
脳が新しい神経回路を強化するには、練習と休息のバランスが重要なんです。実は、運動スキルの記憶は、休息中に脳内で整理・強化されるという報告があります。
1日にまとめて長時間練習するよりも、短い時間を何日かに分ける方が効果的。記憶の定着が良いという結果が出ています。
たとえば、正しいバッティングフォームを身につけたいとしたら?
1日に2時間集中して練習するよりも、毎日30分ずつ練習する方が、脳は動きをよりしっかり覚えられます。
お子さんの練習計画を立てる際には、毎日少しずつの反復練習を心がけてください。そして、週に最低1日は、必ず休息日を設けましょう。
さらに数日おきに、習得したことを見直す時間をつくることで、練習効果が格段に上がります。
ぜひ、この「間隔を開けた反復」を取り入れてみてください。

今回のまとめ
動作の95%は、無意識によって行われています。その無意識を鍛えることで、スムーズなプレーが可能になります。
最初は意識的に、正しいフォームを丁寧に反復しましょう。すると、やがて無意識の動きにつながります。
イメージトレーニングや質の高い反復練習により、体が勝手に反応する感覚が養われます。
そして、効果的な練習には「間隔をあけた反復」が重要です。
すぐに結果が出なくても焦る必要はありません。正しい方法で質の高い練習を継続すれば、体は自然と動きを覚えます。
必ず上達すると信じて、日々の練習に取り入れてみてください。
それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。
次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。
野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡ください。
あなたからのご連絡をお待ちしています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
参考文献:
Gupta, A et al., A neurocomputational approach to automaticity in motor skill learning, Biologically Inspired Cognitive Architectures (2012), http://dx.doi.org/10.1016/j.bica.2012.07.009
Cassilhas RC, Tufik S, de Mello MT. Physical exercise, neuroplasticity, spatial learning and memory. Cell Mol Life Sci. 2016 Mar;73(5):975-83. doi: 10.1007/s00018-015-2102-0. Epub 2015 Dec 8. PMID: 26646070; PMCID: PMC11108521.
Future spinal reflex is embedded in primary motor cortex output
(未来の脊髄反射は一次運動野からの運動出力信号に組み込まれている)、梅田 達也、横山 修、鈴木 迪諒、兼重 美希、伊佐 正、西村 幸男、Science Advances、10.1126/sciadv.adq4194
Developmental characteristics of physique, fitness and motor control ability in baseball players Atsushi YOSHINO and Masahiro SUGIYAMA
Poldrack RA, Sabb FW, Foerde K, Tom SM, Asarnow RF, Bookheimer SY, Knowlton BJ. The neural correlates of motor skill automaticity. J Neurosci. 2005 Jun 1;25(22):5356-64. doi: 10.1523/JNEUROSCI.3880-04.2005. PMID: 15930384; PMCID: PMC6725010.
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