【小中学生の打撃改善】この順番を知れば…弱い内野ゴロが強いライナーに変わる!

【小中学生の打撃改善】この順番を知れば…
弱い内野ゴロが強いライナーに変わる!

石橋秀幸
元広島カープ一軍
トレーニングコーチ

お子さんの打球、なぜか内野の頭を越えない…

そんなお悩みありませんか? 

一生懸命練習しているはずなのに、打球はいつも弱々しいゴロ。ショートやセカンドへの内野ゴロばかり。

「やっぱり、うちの子は力が弱いから仕方ないのかな…」

そう諦めかけているお父さん、お母さんも多いかもしれませんね。

でも、ご安心ください。

実は、お子さんの打球が弱いのは、体格やパワー不足だけが根本原因ではないんです。パワーだけではない、”ある秘密”が隠されています。

こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。

強い打球を打つには、技術的な要因が深く関わります。 

ピッチャーがボールを投げてから、バッターの手元に届くまで、小中学生の野球でもわずか0.5〜0.6秒ほど。この一瞬で強い打球を生み出すカギの一つは、実は”回転のタイミング”です。

このタイミングを最適化すると、バットの速度は向上します。打球は力強いライナーに変わるんですよ!

これからお伝えする内容は、私の35年以上の研究と指導で培った最新メソッドです。

お子さんのバッティングを変えたい方には、必見の内容になっています。

ぜひ、最後までお付き合いください。

弱い打球の本当の原因

お子さんのバッティングフォームを見て、どんな改善ポイントがあると感じていますか?

野球のバッティングは、”運動連鎖“でパワーを生み出しています。 これは、ご存じの方が多いかもしれませんね。

地面からもらった力を、下半身→体幹→上半身→腕→バットへと、効率よくリレーする”波”だと表現できます。

弱い打球になってしまうのは、この波の動きのバランスが崩れているからなんです。

どういうことか、詳しく見ていきましょう。

動きの波はどう崩れる?

子どもが効率の良い運動連鎖でバッティングをするのは、実は簡単ではないんです。

中学生であっても、筋力が伴っていない選手もいます。すると、どうしても腕や上半身の力に頼りがちです。

しかし、これがパワーを逃がす要因の一つ!

そう、”上半身が早く開く”、開きすぎたスイングになってしまうんです。

上半身が開く動きは、運動連鎖の波が腰に届く前に始まります。無理やり腕から動かそうとするスイングになるんですね。

近年の野球のバイオメカニクス研究で、わかってきたことがあります。

バッティングは、バットがボールに当たる瞬間の速さが必要です。それに加えて、”回転のタイミング”と角速度(物体が回転する速さ)が大切なんです。

この回転の効率を最適化することが、スイングのコンパクトさにつながります。

つまり、どのタイミングで速く動くかが重要だということです。

最適化された動きが、バットのスピードや打球の初速に強く影響するんです。

なお、スイング中にブレない体の使い方とミートポイントのつくり方について、【実践指導】打撃でうまくいかない内外角打ちの具体的な攻略法で解説しています。

”骨盤始動”で打球はライナーに変わる

パワーの漏れを防ぎ、爆発的なエネルギーを生み出すには、どうすればいいのでしょうか?

その答えが”骨盤始動”です。

バッティングの理想的な力の伝達は、次の順番で起こります。

  1. ステップした前足が着地する(ここで土台が固まる)
  2. 骨盤(腰)が回転を始める(エンジン点火)
  3. 胸と肩が時間差で回転する(パワーが増幅される)
  4. 最後に腕とバットがしなって出てくる

この流れで、最大のヘッドスピードが生まれるわけです。

これは、ムチをしならせるのと同じ原理です。ムチの持ち手に当たる骨盤が先に動くことで、エネルギーが波のようにバットに伝わります。

これで、爆発的なスピードが生まれるんです。

もし、お子さんがこの”骨盤始動”の感覚を掴めたら、バッティングが変わります。

体の大きさに関係なく、内野の頭を越える強いライナーを打つことができるようになります。

ちなみに、打球の質を高める最新ガイドについては、【知らないとマズイ】飛距離が伸びない小中学生に共通する原因は3つ!その練習、逆効果かも!?を確認してみてください。

今日から家庭でできる!強い打球を生み出す3つのステップ

では、理想的な”運動連鎖”を体に覚えさせるにはどうすればいいでしょうか?

専門的な器具や難しいトレーニングは必要ありません。ご家庭で今日からすぐに始められる3つのステップをご紹介します。

ステップ1:声かけ
練習中、「着地してから腰を動かそう」と、お子さんにこの一言を伝えてあげてください。

「もっと強く振れ」といったような曖昧なアドバイスよりも、意識を変える大切なきっかけになります。

ステップ2:意識づけドリル
正しい体の使い方を体に覚え込ませる、簡単なドリルです。

  • 第一段階(分解)
    まず、一歩踏み出してピタッと止まります。完全に静止してから、「①腰→②胸→③腕」の順番を一つずつ確認しながら、ゆっくり振ってみましょう。
  • 第二段階(つなげる)
    順番を体に覚えさせたら、次は止まらずに、着地から一連の流れでスムーズに振ってみます。

ステップ3:チェック
スマホで動画を撮影してチェックします。お子さんのスイングをスローモーションで再生してみてください。

ステップ3でチェックするポイントは一つだけです。

踏み込み足(投手側の足)が地面に着く前に、胸(肩)がピッチャーの方向へ向き始めていないか

つまり、骨盤よりも先に、上半身が回り始めていないかをチェックするんです。

この映像をお子さんと一緒に見てください。お子さん自身が自分の動きを客観的に理解し、修正する手助けになります。

これを繰り返すことで、正しい体の使い方が自然と身につきます。このドリルは、まさに運動連鎖を体に刻み込むためのものです。

なお、素振りの見直し運動連鎖とタイミングを整えるコツについては、【素振りを見直す】誰も教えてくれなかった!プロが実践するスイング強化法も参考になるはずです。

ぜひ、試してみてください。

今回のまとめ

お子さんの打球が弱いのは、決して才能やパワーのせいではありません。

それは単に、エネルギーを最大限に引き出す”タイミング”を身につけていなかっただけなんです。

やることは驚くほどシンプルです。今回ご紹介した3つのステップを試してみてください。お子さんのスイングが変わるはずです。

わからないことがあれば、いつでもご連絡くださいね。

それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。

次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。

野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡くださいね。

あなたからのご連絡をお待ちしています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


参考文献:

Morishita, Yoshitaka & Katsumata, Yoichi & Jinji, Tsutomu. (2019). The effect of changes in hitting location on bat-swing parameters in baseball batting空間上の打撃ポイントの違いがバットのスイング特性に及ぼす影響. Taiikugaku kenkyu (Japan Journal of Physical Education Health and Sport Sciences). 64. 10.5432/jjpehss.18058.

Tsutsui, Toshiharu & Sakamaki, Wataru & Maemichi, Toshihiro & Sakata, Jun & Torii, Suguru. (2023). Development pattern of swing speed of batting in youth baseball players成長期野球選手の打撃におけるスイングスピードの発達様式. Japanese Journal of Physical Fitness and Sports Medicine. 72. 253-259. 10.7600/jspfsm.72.253.

城所 収二, 園本 修也, 赤木 亮太, 子供の打撃パフォーマンスを最大に高める最適なバットの慣性モーメントと把持条件, バイオメカニクス研究, 2018, 22 巻, 3 号, p. 94-108, 公開日 2022/03/09, Online ISSN 2434-4621, Print ISSN 1343-1706, https://doi.org/10.32226/jjbse.22_2018_002, https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjbse/22/3/22_22_2018_002/_article/-char/ja, 抄録:

Carrol A, Krupp T, Tucker K, Siekirk NJ, Kendall BJ. The Relationship between Cognition, Preseason Hitting Assessments, and In-Game Batting Performance in Collegiate Baseball and Softball Players. Int J Exerc Sci. 2023 Jan 1;16(6):23-30. doi: 10.70252/LWCL6605. PMID: 37114117; PMCID: PMC10124730.

Rivera M, Leyva WD, Archer DC, Munger CN, Watkins CM, Wong MA, Dobbs IJ, Galpin AJ, Coburn JW, Brown LE. No Effect of Assisted Hip Rotation on Bat Velocity. Int J Exerc Sci. 2018 May 1;11(4):68-74. doi: 10.70252/ZVNL1159. PMID: 29795730; PMCID: PMC5955329.

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