【要注意】少年野球で「開くな」と言っても結果が変わらない本当の理由

【要注意】少年野球で「開くな」と言っても結果が変わらない本当の理由
「また、ボテボテの内野ゴロ」
打った瞬間の鈍い音で、もう分かってしまう。新チームになったときは、今年こそはと思っていた。
それなのに…
ここ最近の打席は、内野ゴロか力のない内野フライばかり。
一塁へ走るお子さんの背中を見ながら、「どこを直せばいいのかわからない…」。そんなふうに思っているかもしれませんね。
実は、弱い打球が続くのは、お子さんのスイングの「クセ」が原因かもしれません。
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
試合でのお子さんのスイングを見て、「なんとなくおかしいぞ」と気づける方もいるかもしれません。
ただ、それがどんなクセでフォームの違和感になっているのか?そこまで見抜くのは、簡単ではないはずです。
そこで今回は、その見つけ方を、私の35年以上の研究と指導経験をもとにお伝えします。
この内容を知れば、試合の後にお子さんと何を確認すればいいかがわかります。そしてお子さんは、次の練習で試すことを一つ手にして、バットが握れるようになります。
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それでは、本編を進めていきましょう。
ボテボテゴロが続いても、結果だけで判断しない
打った結果は、親御さんが確かめられる数少ない情報です。
ただ、それだけを見ていても、お子さんのスイングのクセは読み取れません。しかも、打席に立っているお子さん本人の手応えも、実は当てになりません。
「ちゃんと振れた」という感覚が、実際の動きとずれていることがあるからです。
「そのうち結果に出るはず」と思ってしまうワケ
打てない日が続くと、多くの親御さんは、まず原因を探します。
「頭が上下しているのかもしれない」
「体が回りすぎているのかもしれない」
そう当たりをつけて、家で直させてみる。ところが、直したはずなのに打球は変わらない…。
「体を開くな」
「最短距離で振れ」
そう声をかけるほど、お子さんの返事が短くなっていく。言っている自分も、本当にそこが原因なのか確信が持てない。
そんな親御さんのご相談を受けることが多いです。
たとえば、「自分は野球をやっていたのに見抜けない」という方もかなりいらっしゃるようです。
そうなると、打球が強かったか弱かったかというのが、判断基準になりがちではないでしょうか?
そして、日々の練習を重ねていけば、そのうち結果が出るはずと、次の打席を待つことになってしまいます。
ただ、確信が持てないまま練習を重ねていっても、不安は解消されません。
では、打球の強さのほかに、親御さんが手にできる手がかりはあるのでしょうか?
なお、関連記事で、何度言っても同じことが繰り返されてしまうときに、お子さんの頭の中で起きていることと、親の関わり方をご紹介しています。
関連記事:【新しい野球指導】何度も教えているのにできない理由|子どもの脳で起きているのは…

結果だけを見ていても、スイングのクセに気づけない理由
打球の強さを手がかりにするのは、もっともなことです。
ただ、打球の強さという結果は、一つの情報にすぎません。肝心なのは、バットの軌道がどうだったかという点です。
じつは、上達のコツが研究でわかってきました。
打球の強さという結果だけでなく、バットの軌道のような動きの情報を伝える。そのほうが、上達は早くなります。
運動を覚えたばかりの人を対象に、練習の効果を調べた19件の研究をまとめた報告があります(Oppici, 2021)。
野球の打撃を直接調べたものではありませんが、練習した人に返す情報を2種類に分けて比べています。
- 打球のような「結果の情報」
- バットの軌道のような「動きの情報」
この2つを比べたところ、興味深い結果になりました。
「動きのどこをどう変えればいいか」まで伝えたほうが、上達は早く進んでいました。
言い換えると、「今の、詰まってたな」は、結果の情報です。「今の、バットが体から離れていたな」は、動きの情報です。
上達のための学習が進んだのは、動きの情報に「ここをこう変えよう」まで加えたときでした。
別の研究では、お子さん自身の感覚と実際の動きのずれも調べています。
4歳から18歳の子どもを対象に、走る・跳ぶ・投げるといった動き全体について調べた大規模な報告があります(Bourke, 2025)。
バットの軌道そのものを調べたものではありませんが、213件の研究をまとめたもので、参加者は6万人を超えます。
調べたのは、実際の運動能力と、本人の感覚のずれです。
結果はこうでした。
およそ4分の1から半数の子どもは、自分の運動能力を実際とは違うように認識していました。
たとえば、お子さんが「今のは最短距離で振れた」と感じていたとします。しかし、実際のバットは、その通りに出ていないことがあるというズレです。
これは、脳の中のイメージと実際の体の動きのズレです。小中学生は、年齢的にどうしても感覚のギャップが生まれやすいんです。
だからこそ、そのズレを確認する方法を知っておく必要があります。
ちなみに、関連記事では、本人が「できた」と感じていても実際の動きはそうなっていないことがある理由と、そのズレに気づくための手順をご紹介しています。
関連記事:【少年野球指導の新事実】努力が報われない本当の理由!”できたつもり”を確実に克服する3つのステップ

月1回のスイングチェックで、次の課題を見つける方法
必要なのは、お子さんのスイングを動画で残すことです。
やることは次の3つです。
- 月に1回、スイングを撮影する
毎日撮る必要はありません。家の自主練習でも、チーム練習でもかまいません。3〜5スイングをスマホで撮影してください。
一つだけ守ってほしいのは、毎回同じ角度から撮ることです。角度が変わると、先月の映像と見比べづらくなります。 - 動きを一つだけ決めて見る
見るところは一つに絞ります。たとえば「バットが体から離れて、遠回りしていないか」など。
その都度、見比べる基準を一つに絞ってチェックします。映像を一緒に見ながら、お子さんに聞いてみてください。
「今の、バットはどこを通ってた?」
大人が先に答えを言う前に、お子さん本人に考えさせてみてください。「自分の感覚」と「実際の映像」のギャップに自分で気づけるかがカギになります。
気づけた瞬間こそ、脳がスイングの修正プログラムを最も効率よく書き換えるタイミングです。それが次の練習の質を高めることにつながります。
ちなみに、スイングのチェックポイントについては、後ほど関連記事をご案内します。 - 次の練習で試すことを、一つだけ決める
気づいたことを、お子さんと共有してください。そして「じゃあ次の練習は、これを一つだけ試してみよう」と決めましょう。
一つに決めておけば、お子さんもその一つに集中して取り組めます。
さきほどの研究でも、「ここをこう変えよう」という具体的な手がかりを返したときに、学習が進んでいました。
月に1回、一つだけ。
これなら、すぐに始められますね。
先ほどお伝えした、関連記事です。構えからフォロースルーまでのどこを見ればいいのかを11の項目に分けてご紹介しています。
関連記事:【少年野球】バッティングフォームの直し方|11のチェックリスト

今回のまとめ
今は、打てない日が続いているかもしれません。
ぜひ、今回ご紹介した方法をためしてみてください。
子どもの成長の歩幅は、小さいものです。でも、根拠のある練習を繰り返せば、結果はあとからついてきます。
お子さんのスイングで気になることがあれば、動作分析をおすすめします。
ご案内のリンクを貼っておきますので、いつでもご相談ください。https://sub.holosbc.com/p/AkxjNNGwajh4?ftid=Jnx37PrXxY4P
それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。
次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
1. When is knowledge of performance (KP) superior to knowledge of results (KR) in promoting motor skill learning? A systematic review(DOI: 10.1080/1750984X.2021.1986849)
2. Children’s and Adolescents’ Actual Motor Competence, Perceived Physical Competence and Physical Activity: A Structural Equation Modelling Meta-Analysis(PMC12460483)
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