小学校低学年の野球初心者なら、すぐに野球が上手くならないのは普通のことです。
今回お伝えする内容です
野球の技術的な上達には順番があります
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
あなたのお子様が、野球初心者で、少年野球チームに入ったばかりだとすると、先に入った子どもが上手に見えて、技術的な差が気になってしまうかも知れません。
そんな場合、平日にその差を埋められる練習をさせたいと思いますよね。
お父さんが野球経験者の場合、お子様の平日の練習メニューは、お父さんが決めているケースが多いようです。
そして、先にチームに入った子との差を埋めるために、平日の技術練習の量を増やそうとしているのかも知れません。
また、どんな練習方法がいいのか、インターネットで探しているお父さん、お母さんも多いようです。
野球がうまくなって欲しいのですから、「投げる」「捕る」「打つ」「走る」といった野球の技術的スキルが上達できる練習方法を探したい気持ちはわかります。
でも、野球をはじめたばかりだとしたら、すぐに上手にならないのは仕方ないと思ってください。
それは、野球の上達には【通り道】が必要だからです
最近は、女子野球チームも増えているようですね。
男女問わず、野球をはじめたばかりの少年少女の場合、上達のためには順序があります。
というのは、まずは脳から筋肉へ出す指令の通り道をつくる必要があるからです。
はじめて野球をするのですから、キャッチボールひとつとっても、上手にできませんね。
それは、自分に向かってくるボールを捕るために、どのタイミングでグラブを構えればいいのかといったことがわかっていないからです。
ですから、野球初心者の場合、相手がボールを投げた瞬間からグラブをボールに向けてさし出していることが多いです。
そして、ヒジや手首を上手に使うにも、脳からの指令の通り道が必要です。
バッティングも同じですね。
どのタイミングでどのようにバットを振ればいいのか、脳がまだわかっていません。
ですが、簡単な練習からはじめて、それを繰り返すことで上達しますから、安心してください。
繰り返し練習をすることで、目で見た情報を脳が素早く判断して、筋肉に指令が出せるようになります。
ただ、ここで注意したいことがあります
お子様の野球がうまくなるようにと、お父さん、お母さんは、つい熱心になってしまうことがあると思います。
ですから、つい練習量が多くなりがちではないでしょうか?
注意して欲しいのは、繰り返しの練習は、メリットもあればデメリットもあることです。
ついつい、大人の体力基準で考えてしまい、すぐに疲れてしまうお子様にストレスを感じることもあると思います。
ですが、成長期前の子どもの体は、大人の体とは全く別物で、未完成な状態です。
骨はまだ弱く、骨端線という骨が成長するための軟骨部分がありますが、骨端線に負担をかける練習は避ける必要があります。
そして、筋肉も発達していません。
筋肉が少ないということは、やはり繰り返す量を子ども基準で考える必要があります。
さらに、この先お話をしますが、野球をするための基礎体力も未熟です。
ですから、練習をするときは、お子様の疲れ具合を見て、やりすぎないように注意してください。
それは、成長痛やケガに注意が必要だからです
繰り返し練習をすることのメリットは、先ほどお話をしたように、脳から筋肉に出す、指令の通り道ができることです。
逆に、繰り返し練習することのデメリットは、成長痛を誘発したりスポーツ障害といって肩やヒジのケガをしてしまう場合があることです。
スポーツ障害というのは、投球動作などを繰り返すことで、負担が重くなった部分を痛めてしまうケガのことです。
先日、エンゼルスの大谷翔平選手が、ヒジの内側側副靱帯損傷で2度目の手術をしましたね。
内側側副靱帯損傷は、実際に小中学生にも起こっているスポーツ障害です。
そのほか、リトルリーガーズショルダーといって、上腕骨の骨端線を痛めてしまうスポーツ障害も、成長期前後に多いスポーツ障害です。
スポーツ障害の怖いところは、本人に自覚症状がないままに少しずつケガが進行して、あるタイミングで突然痛みが大きくなることです。
中には、小さな痛みを我慢しながら練習を続けているケースも多いようです。
特に、成長期前の子どもの場合、その痛みの理由が本人ではわからないはずです。
さらに、ヒザやカカトなどに成長痛の痛みを訴える子どももたくさんいます。
ですから、常日頃から、体のどこかに痛みがないか、お子様に聞くようにしてください。
繰り返しますが、成長期前の子どもの体は、大人の完成した体とは別物です。
その点を理解して、お子様の練習に負荷をかけ過ぎないように注意してください。
疲れてきたら、表情でわかりますし動作も変わります。
その変化をしっかりと見てあげましょう。
野球の基礎練習があるように、体も基礎づくりが大切です
先ほども言いましたが、成長期前の子どもの体は未完成です。
骨も弱く、筋肉も少なく、内臓も未発達です。
大人は、その点を見落としがちですから、注意してください。
まずは、強い体をつくっていくための基礎をしっかり固めましょう。
基礎というのは、土台づくりのことです。
土台づくりとは、野球をするのに必要な基礎体力づくりです。
基礎体力とは、練習や試合の途中で疲れない体になること。バットを力強く振れるようになること、ボールを正確に投げられることなど、野球の上達のために必要です。
そのためには、しっかり食べられるようになることも大切ですが、成長期前の子どもの場合、一度の食事でたくさん食べられない子も多いです。
いずれにしても、強い体づくりは始まったばかりです。
目標を高くし過ぎると、できないことがストレスになってしまいます。
お子様の体は、ゆっくりですが確実に成長します。
体の成長に合わせて、適切なトレーニングを設計することで、野球に必要な能力も備わっていきます。
日々、達成可能な目標を設定し、段階的に成長できるようにしていきましょう。
そのお手伝いができるように、これからも有益な情報をお届けしていきます。
今回は以上です。
次のブログも楽しみにしていてください。
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