野球初心者の小学校低学年の子どもが、技術練習しても上達しない理由
今回お伝えする内容です
大人目線ではストレスがたまるばかりです
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
あなたのお子様が、野球をはじめたばかりの初心者だとすると、思ったように上達しないと感じているかも知れません。
そして、上達していないのにもかかわらず、自分から進んで努力をしない我が子に、ストレスを感じていませんか?
でも、それは仕方ないことなんです。
まず、なかなか上達しないと感じるのは、脳から筋肉へ通じる指令の通り道が、まだできていないことが原因のひとつです。
あなた自身も、はじめてすることが上手にできずに、イライラした経験はありませんか?
大人であっても、脳からの指令の通り道がつながっていないと、上手くできないことはいっぱいありますね。
たとえば、自動車の免許を取ったばかりの頃を思い出してみてください。
駐車場に車を止めることは、最初から上手にできましたか?
または、新入社員の頃を思い出してみてください。
業務が全てスムーズにできるようになるまでに、数ヶ月かかったと思います。
何事も、はじめたばかりの頃は、上手にできませんよね。
一度できたと思ったことでも、時間が経つと、またできなくなっていることもありませんか?
大人でもそうなんですから、成長期前の子どもが上達に時間がかかるのは、仕方ないことです
まして、野球以外のことも、日々初体験のことばかりなのが、成長期前の子どもです。
いろいろな初体験をしているのですから、野球の上達だけすんなり行くはずもありません。
さらに子どもは、自分の野球の上達スピードには、不満を感じていないと思います。もしくは、自分の上達スピードが遅いと感じていないのだと思います。
そう思うのは、私自身がたくさんの小学生を指導してきた中で、自分の野球の上達スピードに対して、不満を口にする子がいなかったからです。
もちろん、選手と指導者という立場の違いから、私に直接不満を口にできなかったことも考えられます。
しかし、子ども同士が話をしているところを見ても、そう感じることはありませんでした。
たとえば、あなたのお子様が、小学校低学年の野球初心者だとします。
お子様から、自分の野球の上達スピードに対しての不満を聞いたことはありますか?
または、「どうしたら野球がもっと早く上手くなるのか?」といったことを相談されたことはありますか?
お子様が低学年の小学生であれば、ほとんどの方が「No」ではないでしょうか?
ですから、お子様が自分の野球の上達スピードに不満を感じていないか、気づいていないとしたら、あなたが「もっと努力をして欲しい」と思っていたとしても、ギャップが生じるのも不思議ではないですね。
そのギャップは、大人目線が原因かも知れません
逆に私は思うのですが、あなたのお子様は、日々少しずつ成長している自分に、無意識のうちに肯定的な気持ちを持っていると思います。
親としては、想像よりも上達に時間がかかっていると感じているのかも知れません。
周りの子どもに比べて、我が子の上達スピードが遅いと感じたり、先に入った子とのレベルの差が埋まらないと、焦る気持ちがあるのかも知れません。
でも、お子様は、頑張った自分や、少しできるようになったことに目が向いています。そして、それをお父さん、お母さんに褒めて欲しいと思っています。
ですから、もしもあなたが、お子様の野球の上達スピードに不満を感じているとしても、少し目線を変えて欲しいと思います。
まず、お子様と一緒に、達成可能な目標を決めてみてはどうでしょうか
ちょっとだけ頑張ればできることに挑戦してみてください。
どんなことでもいいので、それができれば成功体験になります。
そして、それをお父さん、お母さんに認めてもらい、褒めてもらえれば、お子様は、自然に次の目標に向かって頑張るはずです。
その、次の目標を設定するときに、お父さん、お母さんは「道案内役」としてサポートしましょう。
目標を決めるときには、大人目線で押し付けるような目標の決め方はしないでくださいね。
お子様自身が「これくらい頑張る」という、自主的な目標を決めるようにしましょう。
お子様自身が、「自分で決めた目標」だと思えれば、無意識に達成したいと思い、行動につながります。
そのとき、サポートするために知らないといけないことがあります
小学校低学年の子どもの野球スキルを、できるだけ早く上達させたいと考えるときに、知らないと効果が出ないことがいくつかあります。
しかし、それらを正しく理解している大人は多くありません。
少年野球の指導者の場合、ほとんどの人が知らないことだと思います。
たとえば、運動能力の要素について理解している人はどれくらいいるでしょうか?
運動能力というのは、野球に限らず運動をするときに必要な能力のことです。
おそらく、運動能力というと、「速く走れる」というのを最初に思いつく人が多いと思います。
または、「基礎体力」という言葉をイメージした人がいるかも知れません。
野球の能力という意味では、「速いボールが投げられる」とか「遠くに打球を飛ばせる」といったことを思ったかも知れませんね。
そして、よく見かけるのが、【運動能力】と【運動センス】を混同しているケースです。
ネットなどで「野球の能力を高めるために必要な7つの要素」といったような情報を目にしたときに、運動能力と運動センスを混同しているケースを見かけます。
ここで、あなたに知って欲しいのは、「運動能力を高めることで、運動センスを効率的に高めることができる」ということです。
つまり、運動能力と運動センスを混同せずに、まずはベースとなる運動能力が備わっていることが必要だと理解してください。
では、運動能力について説明します
運動能力の要素は4つありますが、多分あなたが「えっ?」と思うこともあると思います。
運動能力とは、【バランス能力】【柔軟性】【筋力】【有酸素性能力】の4つです。
バランス能力は、野球にとって重要な要素だというのはイメージできますね。
ピッチャーは、軸足に体重を乗せてから投球します。バッターも、軸足に一度重心を移動してから踏み出します。
そのときに、軸がぶれないバランス能力が必要です。
野球をする上で、柔軟性が必要だということは理解していると思います。
ただ、「柔軟性が運動能力なの?」と思ったかも知れません。
でも、よく考えてみれば理解できると思います。
体が柔らかいということは、体の操作がしやすいわけです。そして、可動域といって、手足を大きく動かすことができます。
逆に、体が固いということは、筋肉が固いわけですからケガをしやすくなります。
筋力は、わかりやすいと思います。
バッティングで飛距離を伸ばすためには、筋力が必要だとイメージできるはずです。
速く走るためにも、速いボールを投げるためにも筋力は必要ですね。
ただ、成長期前の子どもが筋力を高めるときには注意が必要です。
成長期前の子どもが、負荷の高いトレーニングをすると、ケガを誘発する心配があります。
器具を使うトレーニングではなく、自重でできるトレーニングをするようにしましょう。
そして、有酸素性能力。
有酸素運動というと、ジョギングやマラソンといったイメージを持っていると思います。
最近では、「野球に走り込みは必要ない」と考えている指導者も多いと聞きます。
しかし、有酸素性能力というのは、成長期前の子どもが高める能力として必須です。
それは、決して「マラソンに必要な能力を高めましょう」ということではありません。
私たちが、体を動かすことができるのは、筋肉を動かしているからです。
筋肉を動かすためには、エネルギーになる材料が必要です。
その材料のひとつが、酸素です。
酸素を、筋肉を動かすエネルギーに変える能力が高ければ、筋肉を動かし続けることができます。
つまり、疲れにくいということになります。
逆に、エネルギーに変える能力が低ければ、筋肉を動かし続けることがうまくできませんから、疲れやすいことになります。
そのほかにも、成長期前の子どもが、有酸素性能力を高めるべき理由がありますが、それはまた別の機会にお話したいと思います。
そして、最後にお伝えしたいのが、体組成です。
体組成というのは、人の体をつくっているもののことです。
骨、筋肉、脂肪、水分などですが、必要以上についてしまった脂肪は、体のおもりです。
ですから、成長期前から食生活に注意して、余分な脂肪がつかないようにしましょう。
いかがでしたか?
野球をはじめたばかりの初心者は、小学校低学年の子どもが多いと思います。
まだ脳内でつながっていない、指令の通り道が多いですから、技術練習を繰り返しても、なかなか上達しません。
そして、野球の上達のためには、運動をする基礎的な能力である、運動能力を高めることが必要です。
運動能力の要素は、【バランス能力】【柔軟性】【筋力】【有酸素性能力】の4つです。
まずは、それらをバランスよく高めることで、技術練習の効果も高まるということを理解しましょう。
今回は以上です。
次回も、あなたのお役に立つ情報をお届けしたいと思いますので、楽しみにしていてください。
それでは、またお会いしましょう。
ぜひ、あなたの感想を聞かせてください
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または、「こんなことが知りたい」ということがあれば、どんなことでも大丈夫です。
野球をしていて「?」があった時には、すぐに私に質問をしてください。
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