【新常識】アイシング効果と弊害その1

アイシングの新常識

こんにちは。
石橋秀幸です。

今回から4回に分けて、【アイシングの効果と弊害】というテーマでお話をしていきたいと思います。

あなたのお子様は、アイシングをしたことはありますか?

テレビで野球を観ているとき、マウンドを降りたピッチャーが、アイシングをしているのを見たことがあると思います。

肩やヒジをグルグル巻きにしていますよね。
あの中には、氷が入っていて、肩やヒジを冷やしています。

メジャーや日本のプロがやってるんだから、よいことなんでしょ!

そう思っていると思いますが・・・・・

最初にこんなことを言うのはなんですが

じつをいうと、ピッチャーが登板後にしているアイシングには、効果があるのか無いのか本当はわかっていません。
つまり医学的根拠がわかっていないのです。

アイシングについては、1980 年代までに、多くのお医者さんや研究者によって、いろいろと研究されました。でも、アイシングをするとどんな効果がある
のかについては、はっきりとわかっていません。

ちゃんと調べたけど、その効果は医学的には証明されていないんです。
ですから、「アイシングをすれば、絶対に肩やヒジの故障をしないんです」とは言い切れないんですね。

そして、ここが私の一番言いたいことなんですが、

ほとんどの大人は、アイシングの正しい仕方を知らないと思います。

アイシングをする二つのケース

まずは、アイシングをするふたつのケースを知っておきましょう。

ひとつは、先ほどお話をしたように、試合で投げ終わったピッチャーが、肩やヒジをアイシングするケースですね。
これは、ケガの予防や筋肉の疲れをとったり、筋肉痛にならないようにと思ってしているアイシングです。

もうひとつは、ボールが体に当たったり、選手同士がぶつかってしまったときや、足首をくじいて捻挫をしてしまったときなど、思わぬケガをしてしまったときにするアイシングです。

思わぬケガの時は、お医者さんもアイシングが必要だと言っていますから、すぐに冷やすようにしましょう。

なぜ、効き目があるのかわからないのに、アイシングをするのでしょう?

それは、ずいぶん昔のお話になります。

日本のプロ野球で、最初にアイシングを取り入れたのは、広島東洋カープです。
アメリカから伝わったアイシングを、1975 年からすることにしました。
その年に、広島東洋カープがリーグ優勝をしたので、他の球団にもアイシングが広まり、そして、野球をする少年へと伝わっていきました。

アメリカでは、アイシングが早くから取り入れられ、研究が進んでいますが、日本の場合、ちゃんとわかっていない大人が多いように思います。

アイシングをすることは、本当に意味があるのかどうか、まだはっきりとはわからないというのは、お話したとおりです。
でも多くのプロ野球選手がしているのですから、アイシングをしている選手本人は、効き目があると思っているのでしょう。

それはそれでよいと思います。

なぜなら、ピッチャーが投球を続けることで、肩や腕の筋肉は疲れます。そのとき、筋肉が傷つき、少し痛みを感じることもあるでしょう。
肩やヒジの周りがちょっと熱く感じることもあるかも知れません。

そんな時にアイシングをすると、痛みや熱さを感じなくなることがあります。

でも、アイシングをするとき、絶対に気をつけて欲しいことがあります

ですが、そのことを多くの大人はわかっていません。
あなたはしっかり覚えていてください。

一番注意しないといけないのは、冷やしすぎです。

私が見ている限りですが、日本のアイシングは、ちょっと冷やしすぎのように感じています。
高校野球などを見ていると、たくさんの氷を袋に入れて、肩とヒジにラップできつく巻き付けているのを見かけます。
ですが、それは冷やしすぎです。

繰り返しますが、アイシングで一番危ないことは、冷やしすぎることです。
冷やすということは、筋肉だけでなく、血液が流れている血管も冷やすことになります。
血管を冷やすとどうなるかというと、血液の流れが悪くなってしまう
のです。

難しい言葉で言うと凍傷と言いますが、あまりに冷やしすぎると、筋肉に血液が行かなくて、筋肉が死んでしまうこともあるんです。
そこまでひどくなくても神経に影響を与えて、体を動かしたり痛みや熱さを感じる大切な働きができなくなってしまうこともあります。

これは本当にあったことですが、あるプロ野球選手が、試合後にアイシングをしながら横になっていたら、気持ちよくなって眠ってしまいました。すると、
その選手は凍傷になってしまい、その後すぐに2軍に落ちてしまいました。

いかがでしたか?
アイシングに医学的な根拠がないということは、ご存知だったでしょうか?

次回は、私がおススメするアイシングの方法についてお話したいと思います。

もちろん、日本の一般的なアイシング方法とは違いますので、楽しみにしていてください。

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