野球の投球後アイシング、正しい時間とやり方|氷嚢の使い方

Holos式【正しいアイシングの方法】
こんにちは。
石橋秀幸です。
前回は、アイシングは医学的にわかっていないことが多いことと、冷やしすぎによる弊害の可能性があることについてお話をしました。
そこで今回は、アメリカで一般的に行われているアイシング方法を紹介したいと思います。
いかにもアメリカ的な大胆な方法ではありますが、参考にしてもらえたらうれしいです。
アイシングについて、日本ではあまり細かく決められていないようですが、メジャーリーグをはじめとして、アメリカでは、ちゃんと決まりがあります。
まず、アイシングの時間は、⻑すぎるのはよくありません。
アイシングの基準
アメリカの場合、ピッチャーの投球後のアイシングの時間は、15 から 20 分と決められています。そして、アメリカの場合は、クラッシュアイスといって、細かく砕いた氷がありますから、それを使います。
そのクラッシュアイスを、ちょっと厚みのある大きなバスタオルで巻いて、それを肩やヒジに当てて冷やすのが普通です。
細かく砕いてあるクラッシュアイスだと、溶けやすいので冷やしすぎる心配もありません。
そして、厚目のタオルを使うことも、冷やしすぎる心配がありません。
氷が溶けると、タオルから溶け出た水で、体中がビチャビチャになるので、タオルをとりたくもなります。
それで、ちょうど良い時間でアイシングすることができるわけです。

この方法なら、特別な物を揃える必要はないですね。でも、これはアメリカ的な考え方なのかも知れないです。
この方法は、日本の子どもたちにもおすすめなんですが、ちょっと問題があるとすると、やはり、体や周りがビショビショになることですね。
そして、日本ではクラッシュアイスをほとんど見かけません。
でも、もしもこの方法でアイシングをしてみたいようでしたら、こんな方法もあります。
たとえば、家にある氷を野球のソックスにいくつか入れて、それを何か硬いところにぶつけてクラッシュアイスにします。
それを厚みのあるタオルに移し替えて、肩やヒジを冷やすという方法です。
何回かやってみて、だいたい 15 分から 20 分で溶ける氷の量を覚えておくのもよいですね。

氷嚢で冷やすときに気をつけたいこと
日本の場合、氷嚢で冷やすことが多いと思いますが、その場合に気をつけたいことも、やはり冷やしすぎないことです。
氷嚢に氷だけを入れるのではなく、一緒に水も入れることで、氷が溶けやすくなります。
そうすると冷やしすぎの心配が少なくなります。
また、氷嚢を直接肌に当てるのではなく、タオルを間に挟むくらいでちょうどよいでしょう。
アンダーシャツの上から氷嚢で冷やすことも考えられますが、最近のアンダーシャツは薄い生地なので、やはりタオルがあったほうが冷やしすぎる心配は少なくなりますね。
日本のアイシングは、冷やしすぎている子がとても多いと思います。
ですから、「もうちょっと冷たいほうがいいような気がするけど……」くらいでちょうどよいと思ってください。
そして、氷嚢でするアイシングも、やはり 15 分から 20 分で終わらせるようにしましょう。
そのほかに注意して欲しいこととしては、決してきつく巻き付けないこと。
アイシングはポジションに関係なくして大丈夫
それから、アイシングはピッチャーだけではなく、他のポジションの子がしてもいいんですよ。
キャッチャーも、試合では意外にたくさん投げています。
なんとなく肩やヒジが痛いとか、今日はちょっとたくさん投げたかも、なんて日には、ポジションに関係なく、アイシングしてみるとよいでしょう。
いかがでしたか?
アイシングをすることが効果があるのか、ないのか、今はまだわかっていませんと聞くと、ちょっと不思議に思ったかもしれません。
でも、アイシングがアスリートに安心感を与えて気持ちをプラスに変えることはわかっています。
ですから、必要に応じてアイシングをしてみることは、いいことでしょう。
ただ、小中学生のアイシングについては、私は独自の考え方を持っています。
次回は、視点を変えたアイシングのお話をします。
お楽しみに。
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よくある質問
Q. アイシングは、投球後の筋肉の疲労回復にどのくらい効果がありますか?
投球の翌日以降に出る筋肉痛を、軽くする効果があります。健康な大人を対象にした51件の研究、合計1,243人分をまとめた分析があります。アイシングは、運動から24時間後の筋肉痛をはっきり減らしました。48時間後には、いろいろな冷やし方の中でいちばん効果が大きくなりました。翌日だけでなく、二日後の筋肉痛にも効いてくるということです。投球後のアイシングは、筋肉痛の回復を助けてくれます。
Q. アイシングで冷やしすぎると、具体的にどんな弊害がありますか?
傷んだ筋肉の回復が、かえって遅くなることがあります。健康な大人22名を対象にした試験で、冷やしたグループのほうが筋肉のダメージからの回復が遅れたとわかりました(Tsengら2013)。冷やしすぎには、こうした回復の遅れにつながるリスクがあります。アイシングは、時間を守り、冷やしすぎないことがいちばん大切です。
Q. アイシングには、身体的な回復効果だけでなく、選手の気持ち・心理面へのプラスの効果もありますか?
はい、気持ちの面にもプラスの効果があります。健康な大人を対象にした研究があります。冷たい刺激を受けると、自律神経のはたらきが整います。その結果、「回復できた」と感じやすくなります。冷やすことで、痛みの信号も伝わりにくくなります。「これで良くなる」という期待そのものも、痛みをやわらげる力になります。アイシングは、こうした気持ちの面からも選手を支えてくれます(Wuら2026)。
参考文献
- Impact of different cryotherapy interventions on post-exercise acute delayed-onset muscle soreness, athletic performance, and inflammatory biomarkers: a systematic review and network meta-analysis(DOI: 10.3389/fspor.2026.18193964)
- Topical cooling (icing) delays recovery from eccentric exercise-induced muscle damage(DOI: 10.1519/JSC.0b013e318267a22c3)





