小学生の野球とアイシングについて思うこと

小学生にアイシングは必要か?

こんにちは。
石橋秀幸です。


前回は、アメリカ、おもにメジャーリーグのアイシング方法についてお話をしました。
アイシングは、冷やしすぎないことが大切でしたね。

今回は、少し考えかたを変えて、小学生の野球ということで考えてみたいと思います。

ズバリ、私の考えはこうです

ズバリ私の考えは、小学生にはアイシングが必要だと思うほど投球をさせない。そのことのほうが大切だと思います。

特に、小学校低学年から成長期の子どもが無理に投げ続ければ、肩やヒジのケガをしやすくなります。

そして、たいていの小学生は、まだ肩や背中にほとんど筋肉がついていないはずです。筋肉がないのに、その筋肉にアイシングをしても、じつはほとんど意味がありません。

投球数について考えてみます

前回お話をした、15分から20分のアイシング時間というのは、「70から100球の投球数だと、これくらいですよ」という時間になります。そのあたりのルールがしっかり決まっているアメリカでは、メジャーリーグの先発ピッチャーは、100球くらい投げると、イニングに関係なく交代します。

そして、100球前後投げたピッチャーは、20分間のアイシングをしましょうというのが、アメリカのメジャーリーグでの目安です。

大人で100球ということは、小学生の投球数はさらに少なくなります

たとえば、日本のリトルリーグ協会という少年硬式野球の決まりでは、12歳の子の投球数は、ひと試合に85球まで、10歳以下だと、75球までしか投げられない決まりになっています。さらに、「投球数が21球から35球だと、次の1日は投げない日にしましょう」などと、細かなルールも決まっています。
そのようなルールのあるリーグで野球をしているのでしたら、ある程度は安心です。

ただ、これは大会での決まりです。
ピッチャーのように力いっぱい投げると、ケガの心配があるので、ピッチャーには投げられる数を決めているのです。

大会のルールはあるが、練習は?

ほとんどの大会では、決まりがあるとわかりましたが、では練習はどうでしょう?

また、ピッチャー以外の選手については、どうなっているのでしょうか?

チームや家で練習する時の投球数については、決まりが見当たりません。
ですから、チームの指導者や、お父さんお母さんの考え方で違ってくるということですね。

つい先日、こんな話を聞きました。
私が指導したことのある中学生の子ですが、投手として出場した大会で負けてしまったそうです。その後、グランドに戻って練習をしたそうなんですが、なんと投球練習を250球も投げるようにコーチに言われたそうです。
負けてしまった罰なんでしょうか?

話がそれてしまいましたが、やはり、しっかり知識を持った指導者がいるチームを選びたいものですね。

小学生の投球数と肩肘の休養の必要性

小学生のチームで、平日にチームで練習をすることは少ないと思います。また、最近では気軽にキャッチボールできる場所も、なかなかないと思います。

ですから、平日の練習で投げすぎるということは、少ないとは思います。
でも、平日もしっかり練習しているようなら、投げすぎにならないようにしてください。

先ほどのリトルリーグの例を見ると、
21球から35球投げたら、次の1日は投げない。
36球から50球投げたら、次の日から2日は投げない。
51球から65球投げたら、3日は投げない。
66球以上投げたら、4日は投げないで、肩とヒジを休めましょう。
という決まりがあります。

簡単に考えて、土日に練習や試合をしたら、月、火、水の三日間は投げないようにしたらどうでしょう?

Image by Dave Chavez from Pixabay

ピッチャー以外の選手のアイシング

アイシングは、ピッチャーに限らず、他の野手の子も同じように考えましょう。

たとえば、キャッチボール。
最初は軽く投げますが、だんだんと距離を長くしていきますよね。
そうすると、自然と力を込めて投げることになります。

ざっと10秒に1球投げるとすると、1分間だと何球投げることになるでしょう?

6球ですね。それを5分間続けると、それだけで30球になります。
その後に、ボール回しだったり、ノックだったり、たくさん投げることになると思います。
ですから、半日の練習だけでも、多分100球近くは力を込めて投げているはずです。

繰り返しますが、ピッチャーに限らず、他の野手でも、週末の練習ではたくさん投げています。

アイシングをすることは、気持ちのリフレッシュの意味も含めてよいことだと思います。ですから力いっぱい30球以上投げた日は、ポジションに関係なく、アイシングをすることは良いことでしょう。

でも絶対必要なわけではないです

ただ、絶対ということではないです。
アイシングをすると、逆に変な感じがするとか、冷たいのは苦手だとか、人によって違うと思います。

そして、30球以上投げていないのに、アイシングをする必要はありません。
球数が少ない場合は、ストレッチなどのクーリングダウンで十分です。
クーリングダウンのところでもお話をしましたが、全身運動であるランニングも、効果的なクーリングダウンになります。
アイシングを行う場合も、クーリングダウンを行ってリラックスした状態の方が、効果があります。

日本では、「とにかく投げたら冷やそう」という考えが強いように思います。

繰り返しになりますが、小学校の低学年から成長期の子どもは、アイシングの必要がない、投げすぎにならない投球数を守ることがベストです。

いかがでしたか?
肩やヒジのケガをしないためのアイシングではなくて、アイシングをしなくてもよい投球数を守りたいですね。

ただ、チームに入っている場合は、投球数の管理が難しいと思いますが、できる限り試合だけでなく、練習でも、どれくらい投げているのかを数えておけると安心です。
そうすることで、ケガの予防になりますし、計画的なトレーニングにもなります。
そして、なんと言っても強い体づくりにつながることだと思います。

その点は、指導者や親がしっかりチェックできるようにお願いしたいところです。

次回は、「必ずアイシングが必要な時」についてお話をしようと思います。

お楽しみに。

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