【2025最新理論】体を意識させる指導は逆効果だった!子どもの打撃が変わる新常識

【2025最新理論】体を意識させる指導は逆効果だった!子どもの打撃が変わる新常識

石橋秀幸
元広島カープ一軍
トレーニングコーチ

こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。

これから、小中学生のバッティング向上のための最新理論をお伝えします。

きっと、はじめて聞く内容ですから、意外に思うことが多いかもしれません。でも、科学的に実証されている最新情報です。

お子さんのバッティングで、良い情報がないかと探していますか?

これといった解決策が見つかっていないなら、今回の内容が参考になるはずです。

おそらくあなたは、日々の練習で、お子さんに「体の使い方」を意識させていると思います。でも、それでは効果が低いことがわかってきました。

実は、全く違うアプローチが効果的なんです。

そして、バット選びを間違うと起こる悪影響についても、最新情報をお伝えします。さらに、ネクストバッターズサークルでありがちな間違いについても解説します。

これらは、私の35年以上の研究と指導実績によって明らかになったことです。

なかなかバットにボールが当たらない
ボールの下を振ってしまう
トスバッティングでも空振りが多い

こんなことでお困りなら、必ず役立つ情報です。

ぜひ、最後までお付き合いください。

試合で結果が出るバッティング新理論

「もっと強い打球が打てるようにしないと…」

お子さんのバッティング、今より良くしたいですよね。でも、具体的にどんなアドバイスをすればいいのでしょうか?

やはり、スイングの形や体の動かし方に意識が向いてしまうと思います。しかし、最近の研究では、別の意識づけの方が効果が高いことがわかってきました。

そして、バット選びを間違うと、スイングに大きな悪影響を与えることもわかってきました。

では、実戦で力を発揮するための具体的なポイントを紹介します。

どんな意識で打席に入るといいのか?

お子さんが打席で緊張するのは、仕方ありません。

実はこれ、意識を向ける場所を変えるだけで、解決できるのをご存じでしたか?

たとえば、お子さんが打席に入るときに、どんなことを意識しているか聞いたことはありますか? もしくは、あなたはどんな指導をしているでしょうか?

  • スタンスですか?
  • 構えのグリップの位置ですか?
  • 振り出すときの下半身の動きですか?

もしも今、お子さんが試合で緊張して、練習のようにできないなら…。

脳の「注意の向け方」を変えてみてください。実は、パフォーマンスが劇的に向上するという、驚くべき研究結果があるんです。

多くのお子さんが、「ヒット打たなきゃ」「ミスしちゃいけない」と思って打席に入ります。そして、自分の動きに意識を集中しすぎています。

これが体の動きをぎこちなくする原因のひとつなんです。

先ほど例としてあげた、「スタンスの幅」や「振り出すときの下半身の動き」などは、その一例です。

これを、「内的注意」と呼んでいます。おそらく今でも、これが重要だと考える指導者が多いと思います。

グラウンドでは、体の動きに意識を向けるように指導されていませんか? ところが、脳神経科学の最新研究では違う答えがでました。

「外的注意」が、パフォーマンスを高めると明確に示されているのです

なお、小中学生の飛距離が伸びない原因を解説した【知らないとマズイ】飛距離が伸びない小中学生に共通する原因は3つ!その練習、逆効果かも!?も参考にしてみてください。

これからは「外的注意」でパフォーマンスアップ

「外的注意?」はじめて聞くかもしれませんね。

これは、「結果」に意識を向けさせる方法です。たとえば、「下半身から振り出す」ではなく、「バットでボールを狙った場所に飛ばす」とイメージするのです。

すると脳は、運動制御をより「自動的」で「無意識的」なモードへと切り替えます。結果として、不必要な力みが抑えられ、効率よくバットが振れるようになるのです。

外的注意の効果は、複数のメタ分析を含むさまざまな研究で実証されています。

たとえば…

  • バランス
  • 正確さ
  • 筋力発揮
  • 運動速度

外的注意によって、これらの幅広い運動スキルが向上することが示されました。

たとえば、お子さんがバットになかなか当てられないという課題があるとします。それなら、「ボールのこの部分を狙って打つ」など、お子さんと具体的な外部の目標を決めてみてください。

また、バットのヘッドがボールに当たる瞬間の「衝撃」や「打球の飛び方」に意識を集中させてみてください。スイングの速度や打球速度が向上し、スイング時間も短くなる傾向があることも研究でわかっています。

最初は、少し意識するのが難しいかもしれません。しかし、この小さな意識の変化を繰り返し試してみてください。

これが、お子さんの秘めた能力を最大限に引き出すカギになります。

ちなみに、バッティング力を高める視覚トレーニングの最新情報を【打撃新時代】バッティングは”脳”が9割!ミート力を覚醒させる視覚トレーニング実践法で解説しています。

重いバットを振っても効果はない?

実は、外的注意だけでは、お子さんのバッティングは良くならない可能性があります。

その理由が、バットの重さ

バット選びは、あなたが思っている以上に大切かもしれませんよ。今お使いのお子さんのバット、どんな基準で選びましたか?

というのも、小中学生の選手は、バットの重さが打球速度に大きく影響することがわかっているんです。

なぜかというと、お子さんの体は、まだ成長途中だからです。

骨や筋肉、そして体を動かす神経の仕組みも、まだ完全にできあがっていません。そのため、体に合わない重さのバットを使うと、体はうまくスイングを調整できないのです。

問題なのは、スイングスピードや、ボールを打つ時のバットの角度に影響が出る可能性があることです。

つまり、打席でのパフォーマンスを最大化するために、バット選びは慎重に行う必要があるわけです。

ということは?

普段の素振りでも注意が必要です。スイングスピードを上げる目的で重いバットで素振りさせていませんか?

これは、上のカテゴリーへのスムーズな移行のためといった、計画のひとつとして行うなど、慎重に考えるべきでしょう。

なお、適切なバットの重さの目安とスイングを強くするポイントを【徹底解説】打撃フォーム!弱いスイングを強いスイングに変える3つのカギで解説しました。チェックしてみてください。

ネクストバッターズサークルでの意外な注意点

ネクストでは、マスコットバットやおもりを付けたバットを振る!

「これで、打席でのスイングスピードがアップする」

もしかしたら、そう思っていますか? 意外かもしれませんが、研究では、その効果は実証されていないんです。

短時間だけ重いバットを振っても、直後にスイングスピードが上がるといった効果は、はっきりと出ていません

むしろ、スイングを乱す可能性があるので注意が必要なんです。

小中学生は、スイングの動きのパターンが確立していません。普段より重いバットを使うと、お子さんの体は、そのバットに合わせてスイングを調整しようとします。

たとえば、股関節の内外旋といった、重要な運動パターンが変化します。これは、自覚することなく行われ、スイングの動きを変えてしまう可能性があるのです。

ですからネクストでは、お子さんが普段試合で使っているバットで準備することをお勧めします。

今回のまとめ

バッティングのパフォーマンスを高めるには「内的注意」ではなく、結果に意識を向ける「外的注意」が有効です。

バットの重さは、成長段階の子どもに大きく影響し、重いバットはスイングを崩す原因になります。

ネクストバッターズサークルで重いバットを振るのは、逆効果になる可能性があるため、普段のバットで準備することをお勧めします。

今回の内容を参考に、バッティング向上を目指してくださいね。

それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。

次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。

野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡ください。

あなたからのご連絡をお待ちしています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


参考文献:

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筒井 剛・坂田 淳・中村 栄・渡辺 大輔・坂巻 渉・前道 剛・鳥居 誠 (2024). 少年野球選手における運動能力と体力の​​発達パターン:縦断的分析.スポーツ科学ジャーナル, 42 (19), 1867–1874. https://doi.org/10.1080/02640414.2024.2416777

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