【食事で差がつく】子どもの野球がもっと上手くなる!親が知るべき3つのポイント

今回お伝えする内容です
【食事で差がつく】子どもの野球がもっと上手くなる!親が知るべき3つのポイント
こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。
今回は、野球のパフォーマンスを左右する、成長期の正しい食事について考えてみましょう。
「成長期の子どもに、体を大きくする食事をつくってあげたい」
「体を大きくするには、何に気を付ければいいのかな?」
「食トレって、どうやればいいんだろう?」そんな思いをお持ちかもしれませんね。
実は、子どもの運動能力は、栄養状態で大きく左右されることが研究でわかっています。エネルギーが足りない状態で練習しても、体力はつきません。集中力も低下し、ケガのリスクも高めてしまいます。
あなたは、お子さんが1日に必要なエネルギー量をご存知でしょうか?
また、タンパク質は、1日何グラム必要なのでしょうか?
今回の内容を最後まで確認すると、あなたは次のことがわかります。
- 練習とセットで考えるべき「食トレ」の基本
- 野球選手に必要な栄養素と、その正しい摂り方
- 食材の選び方ひとつで変わる、体づくりのポイント
- エネルギー密度を考えた賢い食材の選び方
これらの情報は、35年以上の研究と指導で得た知見に、海外の最新研究も加えてまとめています。
お子さんの体を大きく強くしたいと願う方にとって、とても役立つ内容です。
すぐに実践できる内容をご紹介しますので、お子さんのために最後までお付き合いください。
食事で変わる野球のパフォーマンス
野球を頑張るお子さんのパフォーマンスには、食事がとても大切です。
あなたはお子さんに、バランスよく食べさせたい。そう思っていますよね。
もしも今、「練習は頑張っているのに、なかなか結果が出ない…」。そのような場合、食事を見直すチャンスかもしれません。
なぜなら、食事を意識することで、子どもの運動能力は大きく変わる可能性があるからです。
親の栄養についての知識は、お子さんの栄養状態に直接影響するという研究報告があります。
この研究で指摘されたのは、親の栄養知識が足りない場合の問題点です。つまり、子どもが必要な栄養を十分に取れず、栄養状態が悪化する可能性があるということです。
では、どのような点を注意すると良いのでしょうか?

食事と練習はワンセットで考える
ある研究からわかったことをお伝えします。
実は、子どもの運動能力は、栄養状態で大きく変わってしまいます。
まず、エネルギー不足では、体力や集中力を下げてしまいます。それによって、パフォーマンスも下がってしまうんです。また、栄養不足の子どもは、運動能力が低い傾向があるという研究結果もあります。
ですから、食事は野球の練習と同じレベルで大切なんです。食事と練習は車の両輪。より良いパフォーマンスには、どちらも欠かせません。

エネルギー不足が起きると、
- 練習や試合中にボーっとしてしまう
- 監督の指示を聞き逃してしまう
- 体が思うように動かない
- 疲れがたまりやすい
- ケガをしやすくなる
このように、練習前にエネルギー不足では、野球の実力を発揮できません。食事は、体を動かすためのガソリンのようなもの。エネルギー源となる十分な食事は欠かせないんです。
そして、練習の後は、使ったエネルギーを食事でしっかり補給しないと、せっかくの練習も効果が出ません。
でも、好きなものをたくさん食べればいいというわけではないんです。
成長期のお子さんには、バランスの取れた食事が必要です。そのために大切なのが、正しい栄養の知識なんです。
よく、このように考えている方がいます。
「とにかくタンパク質をたくさん摂らせれば良い」
「カルシウムをたくさん摂れば背が伸びる」
でも、本当に必要な栄養素を適切に摂るためには、正しい食材の選び方を知る必要があります。

食材選びで栄養はこんなに違う
お子さんの野球のパフォーマンスを高める食事。
実は、ちょっとした選び方の違いで、栄養価が大きく変わります。
私たちは、必要なエネルギーを食事から摂ります。そのエネルギー量を「カロリー」で表すのはご存じですね。
カロリーの単位は「キロカロリー(kcal)」を使います。そして、食べ物のカロリーは、重さと栄養素の種類で決まります。
たとえば、炭水化物とタンパク質は、1グラムあたり約4キロカロリー。脂肪は1グラムあたり約9キロカロリーです。つまり、同じ重さなら、脂肪が多い食べ物の方がカロリーが高くなるわけです。

「じゃあ、うちの子は1日にどれくらいのカロリーが必要なの?」
その質問には、次の要素が関わってきます。
- 活動レベル
- 年齢
- 性別
- 基礎代謝
活動レベルには、「どれくらい体を動かすか」という基準値があります。当然、運動量が多いほど、より多くのカロリーが必要になります。
基礎代謝というのは、簡単に言うと、生きていくために必要な最低限のエネルギーのことです。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」を見ると、野球をしているお子さんの目安は、次のとおりです。
【男子】
- 6〜7歳:1750kcal/日
- 8〜9歳:2100kcal/日
- 10〜11歳:2500kcal/日
- 12〜14歳:2900kcal/日
【女子】
- 6〜7歳:1650kcal/日
- 8〜9歳:1900kcal/日
- 10〜11歳:2350kcal/日
- 12〜14歳:2700kcal/日
(出所:厚生労働省日本人の食事摂取基準「推定エネルギー必要量」)
でも、選ぶ食べ物によって摂取カロリーと栄養素が変わってくるので注意が必要です。
たとえば、アンパンとクロワッサンを比べてみましょう。
アンパンは炭水化物がメインで、砂糖も多く含まれています。
一方のクロワッサンは、脂質が非常に多く、特にバターなどの油分が多いのが特徴です。
同じ重さなら、クロワッサンの方がカロリーが高くなります。 それは、脂質のカロリーが、他の栄養素の2倍以上だからです。

このように、食べるものによって栄養価は大きく変わります。
白米と玄米でも、ビタミンやミネラルの量が違います。肉の種類によっても脂質の量は変わってきます。
気をつけたいのが、スナック菓子や炭酸飲料です。これらは「エンプティカロリー(カラのカロリー)」と呼ばれます。高カロリーなのに、必要な栄養素が不足している場合が多いです。
カロリーを過剰に摂り過ぎると、脂肪がたまって肥満の原因になります。将来的にも、成人病を招く原因になります。
野球をする成長期のお子さんには、体の成長や運動能力の向上が不可欠です。そのために、適切なカロリー摂取が必要です。
食品を買うときは、「栄養成分表示」を見て賢く選び、お子さんの健康的な成長をサポートしましょう。
なお、栄養バランスについて、詳しくは「野球選手は、しっかり食べて強い体をつくりましょう」も確認してみてください。

タンパク質は重要な栄養素ですが…
「野球選手に筋肉は必要か?」よく聞く指導者の意見があります。
「ピッチャーが筋肉をつけすぎると、肩が回らなくなって投げにくい」
「体が大きくなるとキレがなくなる」
このような考えから、「野球選手には筋肉はいらない」「特にピッチャーは上半身の筋肉をつけてはいけない」と言われてきました。
「小中学生がウエイトトレーニングをしてもいいんですか?」という質問も多いですね。
結論をお伝えします。
野球選手にも、野球をするための筋肉と筋力が必要です。もちろん、ボディービルダーのような筋肉はいりません。
大谷翔平選手を見ると、肩周りにもしっかり筋肉がついていますね。
そもそも、筋肉がないと速い球が投げられません。そして、投げた腕の衝撃から体を守るためにも筋肉が必要です。
では、どのくらいの筋肉が必要なのでしょうか?
筋肉は、タンパク質からつくられますね。そのため、「たくさんお肉を食べさせよう」と考えるご家庭も多いと思います。
でも、タンパク質を摂りすぎると、脂肪として体に蓄えられてしまうのをご存じでしょうか?
そうだとすると、タンパク質はどのぐらい必要なのか、気になると思います。
一般的には、体重1kgに対して、1日0.6〜1.5gが目安とされています。野球選手としての筋肉を保つには、1. 5グラムを目安にするといいでしょう。
たとえば、体重40kgのお子さんなら、1日に必要なタンパク質は60g(40kg×1.5g)です。
一食あたり20gが目安になります。豚肉の赤身なら、100gで約20gのタンパク質が摂れます。意外と少ない量だと感じませんか?
タンパク質は体をつくる大切な材料です。でも、分解には内臓に負担がかかります。だから、一度にたくさん摂ればいいというわけではありません。
食品ごとのタンパク質量については、文部科学省の「食品成分データベース」で確認できます。

脂肪は敵か味方か?
あなたも「脂肪=悪者」というイメージを持っているかもしれません。
確かに、脂肪を摂りすぎると太ります。でも、脂肪は決して悪者ではありません。
たとえば、ホルモンをつくる材料として、脂肪は必要な栄養素なんです。だから、完全に脂肪をカットするのは良くありません。食事にはバランスが大切です。
最近、「エネルギー密度」という考え方が注目されています。
これは、「食べ物の重さ当たりのカロリー」のことです。同じ100gの食べ物でも、カロリーは違います。
あなたも、「どのくらいの量を食べたか」でお腹の満足感を感じますよね。
たとえば、使っているお茶碗を考えてみましょう。
- お父さんのお茶碗は、大きめでご飯をたくさん入れる
- 子どものお茶碗は、小さめでご飯の量も少なめ
このように、普段使っているお茶碗の大きさで、満腹になる量を自然と覚えていくわけです。
プロ野球選手は、大きなどんぶりにご飯を盛って食べることが多いです。それは、たくさんのエネルギーが必要だからです。
「これくらい食べるとお腹いっぱいになる」というのを、量や重さを感じながら食事をしているんです。
食べ物のカロリーについて、もう一度確認してみましょう。
- 炭水化物、たんぱく質は1gあたり4kcal
- 脂肪は1gあたり9kcal
つまり、同じ100gでも、ご飯(炭水化物)と油(脂肪)ではカロリーが大きく違うわけです。
エネルギー密度を考えるポイントは、極端に油を抜くことではありません。食べ物の量や見た目をよく見て、バランスよく食べることが大切です。
たとえば、
- 野菜をたっぷり食べれば、エネルギー密度が低くカロリー控えめ
- 脂っこい料理は、見た目の量よりカロリーが高いので要注意

食べる量の感覚は、毎日の積み重ねで身についていきます。「これって、どれくらいのエネルギーかな?」と考えながら食べると、自然と上手な食習慣が身につくんです。
そして、毎日同じ時間に体重を測ることも、大切なポイントです。
食品を買うときは、栄養成分表示を確認することをおすすめします。エネルギー密度を意識して、効率よくエネルギー補給をしていきましょう。
食品ごとのエネルギー量についても、文部科学省の「食品成分データベース」で確認できます。
参考にしてください。
今回のまとめ
いかがでしたか?
今回は、野球をする子どもの成長と、パフォーマンス向上に欠かせない、適切な栄養摂取とバランスの良い食事について解説しました。
- 食事は、練習と同じレベルで重要です。
- エネルギー不足は、体力や集中力の低下を招きます。
- そして、ケガのリスクも高めてしまいます。
特に成長期のお子さんには、年齢や活動量に応じた適切なカロリー摂取が必要です。
エネルギー密度を意識した食事と体重管理が、野球のパフォーマンスアップには必須です。
今回お伝えした内容を参考に、バランスの良い食生活を心がけていきましょう。
それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。
次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。
野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡ください。
あなたからのご連絡をお待ちしています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
参考文献:
石橋秀幸著、野球体をつくる!、西東社
石橋秀幸著、マー君をめざす最新トレーニング、廣済堂出版
Purwanto, S., & Ockta, Y. (2024). Sports Nutrition and Gross Motor Skill Development in Youth Athletes: A Literature Review. Jurnal Penelitian Pendidikan IPA. https://doi.org/10.29303/jppipa.v10i8.8991.
Hatta, N., Tada, Y., Furushou, T., Kato, M., Kanehara, R., Hata, T., Hida, A., & Kawano, Y. (2020). Association Between Motor Skills, Diet, and Lifestyle: a Cross-Sectional Study of First-Grade Schoolchildren in Japan. . https://doi.org/10.21203/rs.3.rs-61781/v1.
Teshome, M., Verbecque, E., Mingels, S., Granitzer, M., Abessa, T., Bruckers, L., Belachew, T., & Rameckers, E. (2024). Investigating the Effects of Dietary Supplementation and High-Intensity Motor Learning on Nutritional Status, Body Composition, and Muscle Strength in Children with Moderate Thinness in Southwest Ethiopia: A Cluster-Randomized Controlled Trial. Nutrients, 16. https://doi.org/10.3390/nu16183118.
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Mohammadi, F. (2022). Relationship Between Body Mass Index and Motor Competence in Children Aged 7-10 Years: A Cross-sectional Study. Jundishapur journal of Medical Sciences. https://doi.org/10.32598/jsmj.21.2.2641.
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