【少年野球指導の新事実】努力が報われない本当の理由!”できたつもり”を確実に克服する3つのステップ

【少年野球指導の新事実】努力が報われない本当の理由!”できたつもり”を確実に克服する3つのステップ

石橋秀幸
元広島カープ一軍
トレーニングコーチ

こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。

野球の練習、お子さんは一生懸命頑張っていますよね。 でも時々、同じ場面で同じミスが繰り返されることはありませんか?

また同じミスしてる…どうしてなんだろう?
なんで教わったとおりにできないんだろう?

ズバリ!今回はその根本原因と解決策を具体的にお伝えします。

残念なことに、ほとんどの大人が見落としている盲点があります。それが原因で、子どもの努力が成果につながらないケースがあるのです。

もし、あなたのお子さんが頑張っているのに、結果が出ていないなら…「がんばり方」をほんの少し変えてみましょう。

うれしいことに、いくつかの研究から解決の糸口が見つかりました!

今回の内容を最後まで確認すると、あなたは…

  1. 無意識に繰り返す”ミスの本当の理由”がわかります
  2. 正しい動きを定着させるための新しいヒントが見つかります
  3. 研究で裏付けられた記憶定着のトレーニング法がわかります

これらの内容は、35年以上の指導経験と研究に基づいています。

今すぐ実践できる内容ですので、お子さんの隠れた能力を引き出す絶好の機会です。

ぜひ、最後までお付き合いください。

「同じミスを繰り返す…」を終わらせる!

それ、先週も言ったよね!なんで覚えてないの?


こんな指導者の声、よく耳にしませんか?

コーチや監督からの同じ指摘が繰り返されると、親としても「どうして覚えていないんだろう」と思いますよね。

実は、お子さんが同じミスを繰り返す理由は単純です。

一つは「記憶が定着していない」こと。もう一つは「できたつもり」になっていることです。

お子さんは心の中で「ちゃんとできてる」と思っているのに、実際の動きは違っている。

この「できたつもり」と「実際の動き」のギャップを埋めることが、上達への第一歩なのです。

「できたつもり」を「できた」に変える方法

同じことを何度も言われているのに、なかなか直らない…

こんな状況に心当たりはありませんか?

お子さんはコーチや監督から、いろいろと指導されますよね。

もっと腰を回してバットを振りなさい
肩を開かないで投げなさい

子どもながらに、言われたことは注意しているはずです。でも、同じ指摘を繰り返される…。

この原因は、「できたつもり」と「実際の動き」の間にあるギャップです。

「アスリートの脳を解明し鍛える」という研究プロジェクトで、次のように指摘されています。

選手の「できたつもり」と「実際の結果」のずれが、トレーニングや技術指導を難しくする。

お子さんの頭の中はこうなっています。

言われたとおりにやってるつもりなんだけど…」
でも、どうすればいいのかよくわからない…」

そんなギャップを埋める最も効果的な方法があります。それは、「客観的な視点」を取り入れることです。

スマホが客観的な視点になる

最も簡単な方法は、スマートフォンでの動画撮影です。

野球のピッチングフォームであれば:

  • ヒジの高さ
  • 体の軸の傾き
  • ボールのリリースポイント

これらの動きを撮影してみてください。それをお子さんと一緒に見てみましょう。

ほら、思ったよりヒジが下がっているね
バットの軌道、イメージと違うでしょ?

このような客観的な気づきが、上達の大きなきっかけになります。

でも、コーチや監督から指導を受けた時、言われていることがわからない場合はどうすればいいのでしょうか?

質問する力が上達のカギ

お子さんには、わからないままにせず「質問する習慣」を身につけさせることが大切です。

ただ、多くの子どもは質問ができません。

なぜなら子どもは:

  • 質問内容を整理できていない
  • 「わかってない」と思われたくない
  • 叱られるかもと思っている
  • そもそも、何がわからないのかがわかっていない

だからこそ、まずは大人が質問できる環境を整えることが重要なのです。

今のこと、どういう意味かわかったかな?
自分なりの言葉で、どう言う意味か言ってごらん

このように子どもに尋ねることで、その場で理解を深め、指導の効果を高められます。

小学生であれば、質問の仕方を教えてあげましょう。

今のはどういうことですか?
もう一度教えてください
どんなふうにすればいいのか教えてください

中学生なら、もう少し具体的な質問ができるよう促しましょう。

正しい動きや、考え方のポイントを教えてください
改善するための具体的な練習方法を教えてください
意識すべきポイントを教えてください

こうした質問は、自分の考えを整理し、より深く理解するのに役立ちます。

指導者も、お子さんの理解度を確認できるので、より的確な指導につながりますね。

質問する力は、将来の大きなアドバンテージになります。

一言だけつけ加えますと…

親が客観的なフィードバックをする時は、否定的な言い方は避けましょう。

「それじゃダメ」ではなく「こうするともっと良くなるよ」という伝え方がポイントです。

間違いこそが最大の成長チャンス!

ああ、また同じミスを繰り返している…」

お子さんの練習を見ていて、こんな思いをされたことがあるかもしれません。

子どもたちと接していると、彼らが「できたつもり」になっている場面をよく目にしますよね。

この「できたつもり」の動作が、その子の脳に「正しい動き」として記憶されてしまうのです。

そして、その「正しい動き」を”間違い”だと指摘された瞬間こそが、実は重要なポイントになります。

脳科学的に見ると、その間違いこそが”最大の学習チャンス”なんです。

間違いや失敗から学び修正する過程で、子どもの脳は新しい神経回路を活発につくろうとします。

これは「ハイパー修正効果」と言われ、間違いを修正することで正しいパターンが脳に刻まれるのです。

でも、ここで重要なポイントがあります!

ただ単に間違いを指摘されるだけでは、脳は効果的に学習できません。

大切なのは、失敗した後に「何が悪かったか」を確認し、どう改善するかを考えるプロセスです。

たとえば、こんなふうに確認してみてください。

今日の投球、少し力みすぎたかな?
今度のバッティングは、もう少し早くバットを出してみよう

このような問いかけで、お子さん自身が気づき、改善策を見つける力を育てます。

ただし、ひとつだけ注意してください!

ハイパー修正効果は、確かに効果的です。しかし、時間が経つと正しい情報を忘れてしまうことがあります。そのため、また同じ間違いをしてしまうのです。

あ、これ思い当たりませんか?

「それ、先週の練習でも言われてたよね」ということがよくあると思います。だからこそ、繰り返し復習することが大切なんです。

ただ、繰り返すと言っても、闇雲な繰り返しでは効果半減です。

実は、科学的に効果の高い復習の方法がわかっています。それについては、また次の機会にお伝えしたいと思います。

今回のまとめ

子どもが同じミスを繰り返す理由には、「記憶が定着していない」ことと「できたつもり」になっていること。この2つが主な原因です。

良い動きを定着させるために大切なことは:

  • スマートフォンで動画を撮影し、ギャップに気づくことが大切
  • わからないことはそのままにせず質問する習慣をつける
  • 間違いは原因と改善策を考える成長のチャンスと捉える

上達には時間がかかりますが、焦らず今回ご紹介した方法を試してみてください。

正しいアプローチを続ければ、必ず成果に繋がります。

それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。

次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。

野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡ください。

あなたからのご連絡をお待ちしています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


参考文献:

Metcalfe J, Butterfield B, Habeck C, Stern Y. Neural correlates of people’s hypercorrection of their false beliefs. J Cogn Neurosci. 2012 Jul;24(7):1571-83. doi: 10.1162/jocn_a_00228. Epub 2012 Mar 27. PMID: 22452558; PMCID: PMC3970786.

JAPAN SOCIETY OF ENGLISH LANGUAGE EDUCATION

Trends and Current Issues in English Language Education in Japan: Integrating eory and Practice

Butler, A., Fazio, L., & Marsh, E. (2011). The hypercorrection effect persists over a week, but high-confidence errors return. Psychonomic Bulletin & Review, 18, 1238-1244. https://doi.org/10.3758/s13423-011-0173-y.

Albouy G, King BR, Schmidt C, Desseilles M, Dang-Vu TT, Balteau E, Phillips C, Degueldre C, Orban P, Benali H, Peigneux P, Luxen A, Karni A, Doyon J, Maquet P, Korman M. Cerebral Activity Associated with Transient Sleep-Facilitated Reduction in Motor Memory Vulnerability to Interference. Sci Rep. 2016 Oct 11;6:34948. doi: 10.1038/srep34948. PMID: 27725727; PMCID: PMC5057137.

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Xu, F., Xu, J., Zhou, D., Xie, H., & Liu, X. (2022). A Bibliometric and Visualization Analysis of Motor Learning in Preschoolers and Children over the Last 15 Years. Healthcare, 10. https://doi.org/10.3390/healthcare10081415.

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