【才能だと諦めない】”野球センスがない子”が試合で輝く! 1日5分の科学的トレーニング法

【才能だと諦めない】”野球センスがない子”が試合で輝く! 1日5分の科学的トレーニング法

石橋秀幸
元広島カープ一軍
トレーニングコーチ

こんにちは。
ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。

今回は、新しい発想をお伝えします。あなたのお子さんの「野球の能力」をグンと伸ばす方法です。

うちの子は、どうも運動神経が鈍くて…」
センスって、生まれ持ったものなんでしょ?」

もし、あなたがそう思われているなら、それは大きな誤解かもしれませんよ。

実は、試合で力を発揮できる子たちは、無意識ながらも当たり前にやっていることがあるんです。

その秘密を知れば、あなたのお子さんも大きく成長できる可能性があるのです。

そこで、今回お伝えする大切なポイントです。

  1. 野球の才能の真実
  2. 一流選手だけが持つ2つの能力
  3. 今すぐ実践できるトレーニング
  4. 能力開発のための親のサポート

これらの内容を、35年以上の指導と研究に基づいてお伝えします。

科学的根拠に基づく方法を試して、お子さんの野球の伸び悩みを解決してみてください。

「うちの子は才能がないかも」と諦めかけているとしたら、必ず役立つ内容です。

ぜひ最後まで確認してください。

才能じゃない!“野球力”を伸ばす新しい練習のカタチ

ボールをインパクトの瞬間までしっかり見なさい!」

お子さんは、こんな指導を受けているかもしれませんね。でもプロ野球選手でさえ、インパクトの瞬間までボールが見えている選手は、ほとんどいないんです。

なぜなら、時速150kmを超える速球は、人間の目で追いきれないからです。

でも実は、優れた打者ほど「予測力」が驚くほど高く、優れた判断力も持っています。

ここで朗報です!

この能力は、特別な才能ではありません。適切なトレーニングで誰でも伸ばせるものなんです。

そう、小中学生の脳は非常に柔軟性があり、今がトレーニングの最適な時期です。

これから、お子さんの野球力を高める方法を、具体的にお伝えしていきますね。

打撃上達の秘訣!予測能力を磨こう

プロ野球の一流選手は、驚くべき予測力を持っています。

ボールがリリースされた瞬間から、正確に軌道を読み取ります。タイミングも絶妙に予測しているのです。

その予測は、投手が始動した瞬間から始まります。

ちなみに、プロ野球選手のタイミングの取り方については、「プロの投手が密かにやっている打者を封じ込める3つの投球テクニック」で詳しく解説していますので、併せて確認してください。

「投球予測における顕在的および潜在的知覚トレーニングの効果」という研究報告があります。そこには、”本人も自覚できないような情報を脳がとらえている可能性”についても示唆されています。

これは「手元までよく見て打つ」というより、一瞬の視覚情報から多くを読み取る能力です。それを無意識のうちに行っているのです。

「そんなの、プロ野球選手ほどのセンスがないと無理でしょ!」

そう思いますよね。

しかし、なんと嬉しいことに、この予測能力は特別な才能ではありません。誰でもトレーニングによって磨けるものなんです。

予測能力を鍛える2つの効果的トレーニング法

研究から、予測能力の向上には、二つのアプローチが効果的だとわかりました。

ひとつは「顕在的知覚トレーニング」。 これは意識的に予測のポイントをとらえるトレーニングです。

たとえばバッティングの例を考えてみます。

お子さんに、投手のこんなポイントを見るように教えてみてください。

  • ワインドアップフェイズで、球種によって上げた足の高さに違いがない
  • ストレートと変化球でヒジの高さや角度に違いがないか
  • 球種によってリリースポイントの高さに違いがないか

このように、見るべきポイントを具体的に伝えましょう。

もう一つは「潜在的知覚トレーニング」。 これは無意識的な反応を促すトレーニングです。

特に試合では、常に意識的に考えてプレーする時間的な余裕はありませんね。そのため重要になるのが、潜在的知覚トレーニングなんです。

このトレーニングでは、お子さんに「ボールに直感的に反応して打つ練習」をさせてみましょう。頭で考えすぎず、感じたままに体を動かすように促してください。

様々な投球パターンを数多く経験させることで、自然と予測できるようになります。

しかし、小中学生のお子さんの場合は、まだ経験が少ないです。そのため、潜在的知覚トレーニングの効果が出にくい場合もあります。

ですが、継続的な練習により、よりスムーズで迅速な反応ができるようになるはずです。

打撃の向上には、顕在的・潜在的知覚トレーニングのどちらも大切です。

ですから、お子さんが根気よく取り組めるようサポートしてあげましょう。

見て・判断して・動くをプロ野球選手から学ぶ

練習はいい感じなのに、試合になると全然別人に…」

そう、実際にそういうお子さんが多いんです。あなたのお子さんはどうですか?

実はこれ、認知運動戦略の問題かもしれません。

認知運動戦略とは簡単に言うと:

  • 周りの状況をしっかり理解する
  • その状況の最適な動きを判断する
  • 判断したプレーを実行する

これらを、頭と体を使って賢いプレーをすることです。

「アスリートの脳を解明し鍛える」という研究プロジェクトでは、トップアスリートの脳機能を詳しく分析しています。

この研究で明らかになったのは、優れた選手は単に身体能力が高いだけではないということ。高度な認知機能も併せ持っているのです。

見て、予測して、判断し、実行する力。 この一連の流れをスムーズに行える選手ほど、試合で実力を発揮できるんですね。

プロ野球の一流選手とそうでない選手では、はっきりとした違いがあります。それは、試合で状況を見て一番良い動きを考える力です。でも、安心してください!

うれしいことに、これらの能力はトレーニングで伸ばせるんです。

お子さんの認知能力を高める実践トレーニング

では、どうやって鍛えるのか?

まずは、複数の刺激に素早く反応するトレーニングを取り入れてみてください。

たとえば、練習前のアップで:

右手が上がったら右に素早くダッシュ、左手なら左へ
またはその逆パターンで
右手が上がったら左にダッシュ

他にも、「指が1本ならしゃがむ、2本なら飛ぶ」など、シンプルなルールが効果的です。

このようなトレーニングは、様々なアレンジが可能です。工夫してみてください。

ひとつ付け加えると、「遊び感覚」で楽しみながら行うことがポイントです。

また、チームの練習では、状況判断力を養うトレーニングも重要ですね。

たとえば、守備の練習で:

ノーアウトランナー1塁、センター前ヒットが出たらどこに送球する?
同じケースで弱い内野ゴロの時、どの塁でアウトを取る?

様々なケースを想定して、判断を素早く行う練習を遊び感覚で取り入れましょう。

特に小学生の場合、緊張した試合では驚くプレーが起こります。ノーアウト満塁でピッチャーゴロ。ホームでアウトを取るべきなのにファーストに送球してしまう…。

信じられないかもしれませんが、こういうことは実際にあることです。だからこそ、見て、予測して、判断し、実行する力を高めるトレーニングが必要なんです。

ぜひ、お子さんのレベルに合わせた認知トレーニングを続けてあげてください。

練習の質が変わり、試合での実力発揮につながりますよ。

今回のまとめ

野球の能力は才能だけでなく、適切なトレーニングで誰でも伸ばせます。

そして、予測能力を鍛える「顕在的・潜在的知覚トレーニング」が効果的です。

状況判断力を高めるために、複数の刺激に素早く反応する練習や、ケースを想定した練習を取り入れましょう。

適切なサポートと継続的な努力で、お子さんの野球能力は必ず向上します 。   

お子さんの成長に合わせて、楽しみながらこれらの練習を続けていきましょう。

それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。

次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。

野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡ください。

あなたからのご連絡をお待ちしています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。


参考文献:

Xu, F., Xu, J., Zhou, D., Xie, H., & Liu, X. (2022). A Bibliometric and Visualization Analysis of Motor Learning in Preschoolers and Children over the Last 15 Years. Healthcare, 10. https://doi.org/10.3390/healthcare10081415.

柏野牧夫2020アスリートの脳を解明し鍛える,
基礎心理学研究、39、1、39–45、2020、日本基礎心理学会

柏野牧夫2019アスリートの脳機能を解明し鍛える,
人工知能、34、4、525–530、2019、一般社団法人 人工知能学会

田中ゆふ2010投球予測における顕在的
 投球予測における顕在的・潜在的知覚トレーニングの効果 
田中ゆふand関矢寛史、体育学研究、55、2、499–511、2010
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会

相川聖2022イメージトレーニングがイメージ能力とパフォーマンスに及ぼす影響、体操選手を対象とした実践的検証
相川聖and高井秀明、スポーツ心理学研究、49、2、169–183、2022、日本スポーツ心理学会

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