【親必見】野球で伸びる子の親が、家で”していない”こと

【親必見】野球で伸びる子の親が、家で”していない”こと

石橋秀幸
元広島カープ一軍
トレーニングコーチ

雨でグラウンド練習が中止になった日、どう練習すればいいのか迷いますよね。

家の中でできる練習としたら、筋力トレーニングや、シャドーピッチング。

中にはバットを振れるスペースがあるかもしれませんね。

お子さんと室内でマンツーマンになると、いつも以上に細かなところが気になるかもしれません。

たとえば、こんな感じで。

もっと肘を上げろ
腰をしっかり回せ

熱心なアドバイスほど、じつはお子さんの上達にブレーキをかけていると言ったら驚きますか?

こんにちは。ホロス・ベースボールクリニックの石橋秀幸です。

最新のスポーツ科学で、意外な事実がわかってきました。親やコーチの「言葉での細かい指示」よりも、上達につながりやすい方法があります。

たとえば、目印などを使った「目で見てわかる手がかり」です(He & Wei, 2025)。

つまり、良かれと思っていても、口を出しすぎることが、かえって上達の遠回りになることがあります。しかし、親が役割を少し変えるだけで、お子さんは自分で良い動きを見つけやすくなります。

その詳しい内容を、私の35年以上の研究と指導の中で、実証した事実に基づいてお話ししていきます。

この内容を知れば、雨の日の家練習が「直す時間」から「お子さんが自ら見つける時間」に変わるはずです。

ぜひ、最後までお付き合いください。

“教えすぎ”が上達を止める仕組みとは

フォームを直したはずなのに、次の練習でまた元に戻っている。

そんな経験をされている親御さんは多いかもしれませんね。まずは、その理由を脳の仕組みから見ていきます。

次に、親の役割を「修正係」から「気づきの設計士」へ変える発想をお伝えします。

そして最後に、家の中でも今日からできる3つの仕掛けをご紹介します。

では、1つずつ確認していきましょう。

熱心な親ほど陥る罠

家で何度も直したフォームが、試合で再現できない。

原因は、お子さんの脳と体の使い方に関係しています。

大人が「股関節をこう動かして」などと指示すると、子どもの意識は自分の体の中へ向かいます(内部フォーカス)。

じつは人間の脳は、本来とても賢くできています。意識しなくても、全身の筋肉をなめらかに連動させて動かす力を持っているんです。

ところが、体の一部分ばかりを気にすると、この力がうまく働きません。脳がその部分だけを無理にコントロールしようとして、本来のなめらかな連動がくずれてしまうからです。

たとえば、「ヒジの位置」を意識しすぎると、今度は手首の動きまで硬くなりがちです。

その結果、子どもの動きはギコギコと、ぎこちないものに変わってしまうのです。

フォームを教えること自体は間違いではないんです。でも、少しやり方を変えてみる必要がありそうです。

なお、関連記事で「細かい指示ほど子どもの動きを止めてしまう脳科学的な理由」をご紹介しています。

関連記事:【脳科学が警告】「考えて打て」は間違いだった!? 子どもの動きを止めるNG指導の正体とは

「修正係」から「気づきの設計士」へ

フォームを教えるのは、大切なことです。

その時、重要になってくるのが、お子さんが自分で気づくための「条件」なんです。

ここで、これまでの当たり前がひっくり返ります。

最新のスポーツ科学に「一人ひとりに合った動きを、本人が探しながら身につけていく」という指導の考え方があります(非線形ペダゴジー)。

意外に思うかもしれませんが、「すべての人に当てはまる、完璧なフォームは存在しない」。でも理由はシンプルです。

お子さんにとっての「一番いい動き」は、いつも変わり続けているからです。

お子さんの筋力、体の大きさ、成長痛の有無。さらには、その日の疲れ具合によっても、最適な形は変わります。だとすれば、万人共通の「正解の形」を押しつけても、合わないことがあるわけですね。

大切な事は、感覚に合った動きを、「お子さん自身が探せる」ようにしてあげること。

つまり、「環境の整え方」なんです。

ちなみに、関連記事で「親が教えすぎないことで、子どもが自分で考える力が伸びる理由」をご紹介しています。

関連記事:【大谷翔平の野球ノートに学ぶ】野球が伸びる子の共通点 _ 親が無意識にしている間違い

子どもが自分で良い動きを見つける「3つの条件」

では、何を整えればいいのでしょうか。

必要なのは、お子さんが自分で気づく「仕掛け」です。

ここからは、家の中でもできる、3つの仕掛けを紹介します。

① 「目印」を置く(外部フォーカスの活用)
まずは、目印を1つ置く。これだけでも、動きが変わるきっかけになります。

体の動きを細かく意識するより、外側の目標に意識を向けたほうが、コントロールや正確さが上がりやすいことがわかっています(He & Wei, 2025)。

具体策は、簡単です。

ティーバッティングなら、ネットの一点にテープを貼ります。シャドーピッチングなら、壁の目印をボールが通過するイメージで腕を振らせます。

すると体が、目標に合った動きを自分で探し始めます。

② 「ルール」を1つだけ変える(動作の変動性を高める)
次は、練習の条件をわざと変えてみること(変動性)。

すると、さまざまなボールにも対応できる「ブレないスイング」を身につけやすくなります。

具体策はこうです。

素振りなら、10スイングごとに、バットの重さを変える。普段使っているバットと少し軽めのバットを交互に振ってみます。

シャドーピッチングなら、15回行ったら5分休む。それを3回繰り返すなど。

このような変化に対応しようとする中で、お子さんは「力が伝わりやすい体の使い方」を自分で見つけていきます。

③ 「問いかけ」て自分で考えさせる(自己決定理論の応用)
最後は、声かけを変えることです。

お子さんのやる気を引き出すには、「自分でできた」という感覚を守ってあげる必要があります。

人は自分で決めて取り組むときに、いちばんやる気が出ると考えられています(自己決定理論)。

【子どもへの問いかけ例】

今のスイング、自分の中では何点くらいだった?
ミットに吸い込まれる感じ、自分でも分かった?
今の『シュッ』っていうスイングの音、さっきより速かった気がするけどどうかな?

すると、お子さんは自分で考える癖がつき、自ら練習に向かいやすくなります。

さらに、関連記事で「体ではなく『打球の行方』に意識を向けるだけで打ち損じが半減した具体例」をご紹介しています。

関連記事:【もう悩まない】打ち損じが半減した理由は…”意識づけ”をこう変えたから

今回のまとめ

家の練習は「直す時間」にせず、お子さんが自分の感覚と対話する貴重な時間にしましょう。

雨の日の室内練習は、自分の体のイメージと向き合うチャンスです。

正しいイメージを持って、自分の感覚をじっくり振り返って見ましょう。

そして、気になることがあれば、どんな小さなことでもかまいません。いつでもご連絡ください。

お子さんに合う声かけや、目印のつくり方を、一緒に考えていきましょう。

それでは、引き続き野球の上達のために頑張っていきましょう。

次回も、さらなる野球の上達につながるアイデアをお伝えしますので、楽しみにお待ちください。

野球上達に関するお悩みや疑問点がありましたら、いつでもご連絡くださいね。

あなたからのご連絡をお待ちしています。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

参照文献:

He X and Wei L (2025). Real-time feedback enhances motor learning and motivation in youth team sports through augmented reality tools. Front. Psychol. 16:1661936.

doi: 10.3389/fpsyg.2025.1661936

van der Veer IPA, Verbecque E, Rameckers EAA, Bastiaenen CHG, and Klingels K (2022). How can instructions and feedback with external focus be shaped to enhance motor

learning in children? A systematic review. PLoS One 17:e0264873. doi: 10.1371/journal.pone.0264873

Chow JY, Komar J, and Seifert L (2021). The Role of Nonlinear Pedagogy in Supporting the Design of Modified Games in Junior Sports. Front. Psychol. 12:744814. doi:10.3389/fpsyg.2021.744814

オンラインレッスンをご用意しています

強いメンタルを備えたトップレベルを目指す選手へ

野球初心者のお子様と、一緒に楽しく学べるオンラインレッスンです。

野球初心者の上達には、こちらのオンラインレッスンがお勧めです。

ぜひ、あなたの感想を聞かせてください

今回の内容について、あなたの感想を聞かせてください。
または、「こんなことが知りたい」ということがあれば、どんなことでも大丈夫です。

野球をしていて「?」があった時には、すぐに私に質問をしてください。

小学生はもちろん、中学生、高校生、大学生など、野球をしているすべてのプレーヤーの質問にお答えします

info@holosbc.com

こちらのアンケートでも受付しています。

そして、今回の情報が、あなたのお知り合いにとっても有益だとしたら、どうかお知り合いに情報をシェアしてください。

公式メルマガで、最新情報を入手してください

ブログの更新情報を、Holos Baseball Clinic 公式メールマガジンでお送りします。

野球に必要な

  • 運動能力向上の方法
  • 運動センス向上の方法
  • トレーニングやコンディショニングのこと
  • ケガ(スポーツ障害)や成長痛の予防
  • クラムジー対策

など、エビデンスに基づいた情報を選りすぐり、週1〜2回お届けします。

下のボタンから、今すぐ登録してください。

ほかにも、

  • お子様の運動能力と運動センスを高める方法
  • 体の成長のための栄養管理について
  • トップレベルの野球選手が行なっているセルフケア(コンディショニング)
  • 成長痛やスポーツ障害について

などなど、今お困りで情報をお探しでしたら、ホロス・ベースボールクリニックが制作したオンラインコースがお役に立つかもしれません。

今すぐ、個別指導が必要ですか?

お子様の成長痛、肩やヒジのケガで、思うように野球の練習に取り組めていないなど、お困りのことはありませんか?

成長痛やケガからの回復については、あなたのお子様の状況を判断しながら、オリジナルのサポートが必要になります。

石橋が直接状況を確認して、トレーニングの指導を行っています。

そして、現在の体の状態や特徴(長所と短所)を知ることで、ストレングポイントがわかるコンディショニングチェックのサービスも開始しました。

コンディショニングチェックについては、こちらで詳しくわかります。

コンディショニングチェックについても、個別のトレーニング指導についても、小学生はもちろん、中学生、高校生、大学生も対象に行なっています。

ライバルに差をつけたい。
レギュラーを確保したい。
もっと上手くなりたい。

そういった思いがある選手は、ぜひ、ホロス・ベースボールクリニック事務局までご連絡ください。

info@holosbc.com

好評発売中です

ホロス・ベースボールクリニックがお届けするkindleブックが、大好評です。

小学生の野球が、なかなか上達しない理由

「子どもが野球をはじめたが、なかなか思うように上達しない」
「野球をはじめて1年経ったけど、思うように上達していない」

そのようなお悩みの声が寄せられています。そこで、どうして小学生の多くが、野球が上達しないのかについてまとめたガイドブックを作りました。

小学生の場合、上達しないのには理由があります。そして効果的に上達する方法があります。

また、今回は「一流選手になるための心の習慣」についても触れています。

野球の上達にお悩みでしたら、ぜひご一読ください。

強い体をつくり、野球のパフォーマンス向上に必要な情報がオールインワンのガイドブック

野球をする子どもにとって必要な、運動能力のこと、運動センスのこと、強くて大きな体をつくる方法、トレーニングやコンディショニングのことetc…

知っているようで、じつは間違った認識を持っていることがたくさんあるはずです。

あなたのお子様が健康的に成長でき、野球の能力やセンスを高めるために、ぜひご一読ください。

お子様の強い気持ち(メンタル)を養いたい方へ

野球は、気持ちで結果が大きく左右するスポーツです。
身体能力以上に、気持ち(メンタル)のトレーニングが必要かも知れませんね。

野球をする小中学生に必要で具体的な、メンタル強化の方法を60のアプローチにまとめました。
でも、一つ一つのアプローチはとても簡単です。

親子で一緒にメンタル強化してみませんか?